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5話 ページ5

【実弥side】

俺を強くすると笑った奴は何とも不気味だった。

肩につかないぐらいの長さを綺麗に揃えた蒼い青い髪。常人と比べると少し白い肌。白い肌を際立たせるような黒い浴衣。浴衣には赤い彼岸花が刺繍されていて映えている。

でも、一番不気味なのは()()()()()()()()()()()()()だ。

瞳は見えていない。傷痕のせいか目が開けられないのだろう。だが、目の前にいる殊卷(こいつ)は俺を()()している。

それ程までにこいつは手練なのだろうか。身体は意外とがっしりしてそうだ。身長も高い。


「お前はボクの弟子であり、家政夫だ。それは忘れてはならんよ」
「あ"!?」
「これからお前が毎日やることを言うから、その知能の少なそうな頭で覚えろ」


・腕立て伏せ1000回
・腹筋1000回
・背筋1000回
・この庭の周りを1000周
・庭の手入れ
・部屋の片付け
・朝昼晩、飯作り


これがアイツに課せられたものだった。


「庭は山二つ分程あってな、まあそこそこ広いが頑張れ」


藤の花と彼岸花が咲き誇るこの庭。家は山の頂上に立っているため、見渡しがいい。

額に青筋が浮かび上がるのが自分でも分かった。


「んなもんしてられる暇があっかよ! 俺は強く成りてぇんだ! 腹筋だ背筋だやってる暇があんなら剣の稽古つけやがれ!!」


俺がそう言うとニヤニヤと笑っていた殊卷は表情を消した。


「剣を握るのにも、身体が出来上がっていないと全く意味の無いものになってしまう。それこそ、お前にはそんな暇がないと思うだけど」

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作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年9月15日 19時

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