6-置き傘- ページ6
いつも一緒にいる人たちは先に帰ってしまったのだろうか。
ひとりきりの章大くんを見るのは、いつ以来？
…入学式の日に、話しかけられた以来だな。
薄暗くなって来た玄関で、
外を睨むようにしている姿がなんだかすごく絵になっていて
まだまだ長めていたかったけれど、
そんなことをしていたら日が沈んでしまいそうだ。
だから、静かに靴を履き替えて近寄って、
『…ん…』
章大くんの目の前に差し出したのは置いたままだっだ傘。
こっちだったら男の人が差していても違和感はないだろう。
透明と紺色のストライプの傘。
安「ん？」
不意に現れた腕と傘に驚いた顔をして、
私が章大くんの視界に入る。
『んっ！』
なにも言えないのは悪い癖。
頭の中では、マンガの一コマのように可愛く
-一緒にはいる？-
なんて言いながら、
一緒に雨の中を帰るなんてシーンが浮かんでいるのに、
今の私には顔も見られずに傘を差し出すことだけで精一杯だ。
安「え？ええの？」
『…』
頷いて、押し付けるように傘を手渡してから、
そそくさと外に出ては、
鞄から折り畳み傘を出して飛び出した。
章大くんがなにかを言っていたようだけれど、
その声は雨音にかき消されてなにも聞こえなかった。
こんな時に自分の性格を憎んでしまう。
憎んでも、これが私なのだから仕方ないことだけれど、
それでも、もう少し可愛く渡したり、
せめて顔を見てニコリとできたら印象も変わるのに、
わかっていてもできないこと。
自分を嫌いになりそうだけれど、
だったら変えればいいのにと思うけれど、
どれもなかなかうまくいかないことばかり。
さらに強くなった雨は、私の心の中みたい。
そう思って、
跳ね返る水たまりも気にせずに家路を急いだ。
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華絢(プロフ) - 蒼乃碧さん» どうなりますかねぇ(ﾉω｀*)んふふ♪ もう、なるように…的な(´･ω･｀) (2018年4月1日 21時) (
レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - くはぁ、せつない…(´；ω；`)これからどうなるのかな…。 (2018年4月1日 6時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
華絢(プロフ) - ひみささん» ひみささん、いつもありがとうございます(〃ω〃) 珍しく学生設定にしてみましたー♪ お付き合い頂けたら嬉しいです(〃ω〃) (2018年3月22日 21時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開ありがとうございます(*^^*) 高校生なんですね〜、黄色もあるんですね〜、色々楽しみです♪ (2018年3月22日 14時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年3月22日 13時
