42-帰ろう…- ページ42
『…そっか。ごめんね、なんか、その…』
錦「ええねん。
いろいろあったけど…もう大人やろ？俺らも」
『…』
錦「またさ…、友だちになれへん？嫌？」
『嫌なわけはないけど、亮の方が嫌じゃないの…？』
錦「難しい質問やけど…
せやけど、なんかまた話したいなって思ったんやからそれでええかなって。
あ、それと。これ」
手渡されたのは1枚のチケット。
『…？』
錦「明日さ、来てくれへん？
今日会えたら渡すって決めてん」
『…でも、これって…』
錦「関係者のみ。ファンとか居れへん。
俺は…Aに来てほしいって思ったから」
『…私が行っても良いの？』
錦「俺が来てほしいって思ったんやけど？」
大きな瞳がわたしを捕らえて離さないから、
『…わかった。ありがとう…』
錦「絶対、来なあかんで？」
『？…うん』
錦「もう、同窓会とかどうでもええわ。
どっか飲みに行けへん？」
そんな誘いを受けたけれど、
『少しくらい顔出ししないとダメだよ』
錦「…めんどうやわ」
『…人気者なのに、
そんなこと言ってるの見られたら幻滅されるよ？』
錦「別に俺はええもん」
『だめでしょ…』
錦「行きたくないわぁ」
そんな駄々をこねるところはあの頃と変わっていない。
渋々私の後をついて来ていた亮だけど、
会場に入ると同時に人が変わったように同級生たちに対応するから、
心の中で役者にもなれそう…なんて思ったのは言わないでおこう…。
会場内。
あの頃と違うのは…人に囲まれているのは亮で、
私は変わらずに壁際にいた。
当時は皆と接触を避けるようにしていたイヤホンも今はない。
だから、人の中心にいる亮が太陽のように見えるのに、
この壁際に居る私は闇のよう。
なのに、
たまに私を確認するように視線を投げてくるから、
星くらいにはなれてるかな。
私自身変わったと思っていたけれど、
同級生に囲まれてしまうと変わっていないと思わされる。
『…帰ろ』
一通りの挨拶だったりは終わっているから、
ここで帰っても問題はない。
最後まで居ても、
その後に二次会とかに行く予定もないのだから
静かに帰るという選択にする。
亮に声を掛けようかと思ったけれど、
あの輪の中心に飛び込む勇気もないから、
静かにその場を後にした。
そして翌日。
チケット片手に、
いつもライブハウスに行くのとは違う格好で。
きれい目のワンピースで。
書かれていた会場に足を入れた。
43-そんな役回り-(亮Side)→←41-息を吸うように-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華絢(プロフ) - 蒼乃碧さん» どうなりますかねぇ(ﾉω｀*)んふふ♪ もう、なるように…的な(´･ω･｀) (2018年4月1日 21時) (
レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - くはぁ、せつない…(´；ω；`)これからどうなるのかな…。 (2018年4月1日 6時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
華絢(プロフ) - ひみささん» ひみささん、いつもありがとうございます(〃ω〃) 珍しく学生設定にしてみましたー♪ お付き合い頂けたら嬉しいです(〃ω〃) (2018年3月22日 21時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開ありがとうございます(*^^*) 高校生なんですね〜、黄色もあるんですね〜、色々楽しみです♪ (2018年3月22日 14時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華絢
| 作成日時：2018年3月22日 13時
