33-恋の音と雨の空の歌- ページ33
今度は亮だけを見るために。
あの日と同じようにライブハウスに足を踏み入れる。
重い扉を開けると、
ステージには女の子のアイドルとそのオタクが盛り上がっているから、
邪魔しないように後方の壁際に張り付いた。
数曲してペンライトがゆらゆら揺れて
さっきまでの盛り上がりが嘘のようにゆったりとした空気が流れる。
-ありがとうございました-
の声が響いて、フロアの客が入れ替わる。
前は人に流されたけれど、今日は自分の意思で。
亮の立ち位置前に陣取った。
時間になって出てきたメンバー。
盛り上がる客席。
カウントが聞こえて、ステージがライトで照らされる。
自分の彼が…亮がステージの上でキラキラして見えて眩しくて思わず目を細める。
視線が客席に向いて目が合って。
ニカッと笑われるだけで、今まで知らなかった部分のドキドキが跳ねた。
こんなに、亮が好きになってたんだと改めて知った。
亮が動くと揺れるチェーン。
私もここで飛び跳ねているので、
同じようにチェーンとリングが揺れる。
同じ波長で、同じリズムで動くのが、
いつも一緒に歩く時の歩幅のようで、
ずっとこうやって過ごせていけるんだろうなぁとぼんやりと考えた。
そして。
今日は私の手の中に飛んできたのは亮のピック。
こういうことをしてしまう亮にときめいてしまうけれど、
不意に思い出すのは章大くんのこと。
…今、何をしているのだろうか。
亮に章大くんのことは聞けずにここまで来てしまったから、
今更どこにいるかとか聞くことは出来ずにいる。
恋愛として気になるというよりも、友だち…として気になるのに、
聞いたら亮が悲しむ気がしてそういうことも考えないことにしていた。
聴き慣れたメロディが耳に届く。
前もここで聴いたカバー曲。
あの音楽室で初めて、私が弾いた音に声が乗った歌。
次の日は、
ギターも合わせて章大くんが歌った、
恋の音と雨の空の歌。
ここには居ないはずの章大くんの歌声が頭の中に響いて、
気がついた時には涙が溢れて居た。
幸せだと思っているのに、こんな気持ちになるのだろうか。
居ない人を思い出して泣いているのだろうか。
涙を亮に見られてしまっている…。
嬉しかったから。
好きな曲だから。
って誤魔化せるだろうか。
…誤魔化す…？
誤魔化すってなんだろう。
私は…私の心の奥底に、
まだ章大くんへの気持ちが残ったままだと気付かされる。
亮に見られてはいけないこの気持ち。
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華絢(プロフ) - 蒼乃碧さん» どうなりますかねぇ(ﾉω｀*)んふふ♪ もう、なるように…的な(´･ω･｀) (2018年4月1日 21時) (
レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - くはぁ、せつない…(´；ω；`)これからどうなるのかな…。 (2018年4月1日 6時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
華絢(プロフ) - ひみささん» ひみささん、いつもありがとうございます(〃ω〃) 珍しく学生設定にしてみましたー♪ お付き合い頂けたら嬉しいです(〃ω〃) (2018年3月22日 21時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開ありがとうございます(*^^*) 高校生なんですね〜、黄色もあるんですね〜、色々楽しみです♪ (2018年3月22日 14時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年3月22日 13時
