27-音楽室での密会- ページ27
まだ章大くんは来ていない。
久しぶりにひとりで弾いてみるピアノ。
♪冷たさに震えて駆け出す夜に…
弾きながら歌うのは自分の曲。
まだ恥ずかしくて章大くんにも聴かせたことのない曲。
聴かれてしまうかもしれない状況で弾いているのは、
聴かせたいと思っているから？
私の気持ちが詰まっているから？
そんなことを考えることもなく、
今はただこれが弾きたかっただけ。
曲が終わったてから少しして、
章大くんが顔を覗かせた。
安「ごめんなぁ、遅なってもうた…」
『ううん、大丈夫だよ』
この頃には、ちょっとだけ章大くんと普通に、
この場所でだったら話せるようになっていた。
少しは可愛い女の子になれてるかな。
まだ理想とする…少女漫画の主人公みたいには可愛くはないけど、
ちょっとは近付いているかな。
こんな私のことを、
章大くんはどう思っているのかな。
そんな核心はつけないけれど、
いつものようにピアノ椅子に座るから、
背中と腕が触れ合った。
『なにか弾きたいのある？』
安「んー、あるんやけど…。
Aは聴いとって？」
『うん…？』
流れて来たのはクリスマスソング。
♪会いたいと毎日思っててそれを君に知って欲しくて〜
まるで告白でもするかのように歌う曲。
この時期はあちこちでよく流れているから
何度も耳にしたことがある曲のはずなのに、
初めてその意味を理解したような気になった。
章大くんがこの歌を今歌っている意味は？
私はどう返せばいいのだろうか？
そう思っている間に曲が終わっていて、
ギターをしまいもせずに
ケース片手に音楽室を出て行ってしまう。
チラッと見えた横顔は真っ赤で、
その表情が物語るのは一つだけなのに、
何も言わずに出て行ってしまわれたら、
私は何も言えないよ？
その意味はすぐ知ることができるのかななんて思っていたのに、
翌日。
担任が朝に教室に入ってきては、
一つ空いた机を眺めながら
先生「急な話だが、安田は親の都合で退学した」
と少しだけ申し訳なさそうに朝礼で連絡事項として伝えて来た。
先生「本人の希望で知られたくないって言ってたから黙ってた」
ざわつく教室。
パッと見たのは亮くんの方で、
一瞬目が合ったけれどすぐに逸らされた。
亮くんは知ってたんだね？
章大くんが居なくなることを。
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華絢(プロフ) - 蒼乃碧さん» どうなりますかねぇ(ﾉω｀*)んふふ♪ もう、なるように…的な(´･ω･｀) (2018年4月1日 21時) (
レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - くはぁ、せつない…(´；ω；`)これからどうなるのかな…。 (2018年4月1日 6時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
華絢(プロフ) - ひみささん» ひみささん、いつもありがとうございます(〃ω〃) 珍しく学生設定にしてみましたー♪ お付き合い頂けたら嬉しいです(〃ω〃) (2018年3月22日 21時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開ありがとうございます(*^^*) 高校生なんですね〜、黄色もあるんですね〜、色々楽しみです♪ (2018年3月22日 14時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年3月22日 13時
