20-泣きたい気持ち- ページ20
こうやってライブに来るなんてもう自分からはできないし、
章大くんもだけれど
亮くんみたいなキラキラした人と近付いただけで良い思い出になったのだから、
また前の私に戻るだけ。
『…帰ろ…』
入れ替えになる人の波に乗るように、
私も出口に動き出す。
最初にここに入った時は、
ただ怖いってだけだったのに今はなにも思わない。
握りしめたピックがなんだかとても熱く感じて、
この熱はきっと私が章大くんを想う熱さだと知った。
外に出るとまだ太陽が高い場所にあって、
この時期なのに日差しがキラキラしている。
さっきまでの章大くん達みたいだ。
大音量の場所にいたから、耳がキーンとするけれど、
嫌な気分はしなかったのは、
まだ瞼にさっきの章大くんが残っているから。
躊躇いも、戸惑いももうなくなった。
私が好きなのは、章大くん。
明日、亮くんにはちゃんと言おう。
今日、こうやって少し変われたのは亮くんのお陰だし、
亮くんのことは好きだけど
恋の予感じゃなくて友達として好きだから。
もう友だちにはなれないかもだけれど、
自分の気持ちを隠して…嘘をついて過ごすのは嫌だって思う。
.
『…亮くん…おはよ』
錦「…はよ」
『あのねっ』
錦「あのさ」
同時に言う同じ言葉。
顔を見合わせてしまうのは仕方ない。
こうなると、先に言おうとしたはずの言葉を飲み込むようになってしまって臆病な私が顔を出す。
錦「あのさ…。
Aが言おうとしてるのは、俺、喜ぶ？喜ばへん？」
『…それは…』
喜ぶ内容では無いよな…と思いながら返事に困る。
どう言えばいいのかな…と。
錦「こんな聞き方はあかんなぁ。
困らせるつもりはないねん」
『…あの』
私が話し出そうとしてもそれを制するように、言葉が続く。
錦「知ってたで？
Aが章ちゃんしか見てへんかったこと」
『…』
錦「…ライブ来たら、
少しは俺の方に向いてくれるかなって期待したんやけどなぁ。
逆になってもうたわ」
はぁっと空にため息をつきながら、
チラッと私を振り返って歩き始める。
『…ごめん…』
錦「謝らんといて？泣きたくなるやん」
なんて言ったらいいのかな。
少しだけ私の前を歩く亮くんに、
なんて言ったらいいのか分からず、
少しだけ間を開けて歩いてた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華絢(プロフ) - 蒼乃碧さん» どうなりますかねぇ(ﾉω｀*)んふふ♪ もう、なるように…的な(´･ω･｀) (2018年4月1日 21時) (
レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - くはぁ、せつない…(´；ω；`)これからどうなるのかな…。 (2018年4月1日 6時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
華絢(プロフ) - ひみささん» ひみささん、いつもありがとうございます(〃ω〃) 珍しく学生設定にしてみましたー♪ お付き合い頂けたら嬉しいです(〃ω〃) (2018年3月22日 21時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開ありがとうございます(*^^*) 高校生なんですね〜、黄色もあるんですね〜、色々楽しみです♪ (2018年3月22日 14時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華絢
| 作成日時：2018年3月22日 13時
