15-頭の中は- ページ15
その間に、
錦「なぁ」
『ん？』
錦「スマホ」
『スマホ？』
錦「持ってるやろ？」
『うん？』
そんな会話で交換されたのはLINEのID。
たまに飛んでくるメッセージ。
どういう意味があるのかもわからないけれど、
この頃には私の頭の中は章大くんは消え始めていて、
亮くんでいっぱいになり始めていた。
…だけど。
安「なぁ」
急に話しかけられたのは、お昼休み。
なんとなく購買に行こうかなと思った時。
いままでそんなことなんてなかったのに、
教室から出て
周りに誰もいないタイミングで話しかけられた。
『…私？』
思わずそんな確認をしてしまうのは、
章大くんが話しかけてくる理由が思い当たらないから。
安「A以外に居らんし？」
ドキッとしたのは、章大くんに名前を呼ばれたから。
初めてのこと。
私の名前を知っていたと知ったから。
それだけで、亮くんのことが飛んでしまって、
一瞬で章大くんになってしまうのだから、
恋って偉大なものなんだね。
安「あのさ」
そんな私の頭の中なんて知らない章大くんが話を続ける。
安「亮と付き合っとるん？」
『へ？』
予想していなかった質問に、思わず間抜けな声が出た。
安「やから、亮と付き合っとるん？」
『え？なんで ？』
安「俺が先に聞いとるんやけど」
『…ごめん』
ビクッとして反射的に謝ってしまう。
そして委縮してしまうのは、
少しだけ章大くんが威圧的に見えたから。
安「あ…、なんかごめん」
ふたりで謝ってしまうことになって、
気まずい空気が流れ出す。
どうしよう。
どうやってここを離れたらいいのかわからなくて動くことができないし、
章大くんは俯いて足元を見ているから、
この後どうするのかもわからずにいる。
錦「章ちゃん、なにしてるん？
って、Aも居ったん？」
この場合の亮くんは救世主と言っていいのだろうか？
なんていうのか…章大くんに向けている笑顔が挑戦的に見える。
安「別に…。なんもあれへん」
つぶやくように言ってから、
私たちに背を向ける。
その背中が、
なんだか少しだけ寂しそうに感じて、
またドキリとした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華絢(プロフ) - 蒼乃碧さん» どうなりますかねぇ(ﾉω｀*)んふふ♪ もう、なるように…的な(´･ω･｀) (2018年4月1日 21時) (
レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - くはぁ、せつない…(´；ω；`)これからどうなるのかな…。 (2018年4月1日 6時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
華絢(プロフ) - ひみささん» ひみささん、いつもありがとうございます(〃ω〃) 珍しく学生設定にしてみましたー♪ お付き合い頂けたら嬉しいです(〃ω〃) (2018年3月22日 21時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開ありがとうございます(*^^*) 高校生なんですね〜、黄色もあるんですね〜、色々楽しみです♪ (2018年3月22日 14時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華絢
| 作成日時：2018年3月22日 13時
