47-足りないもの-(Side B) ページ47
お風呂に入っている信五さん。
先に寝ていようかとも思ったけれど、
どっちにしても起こされるのだから起きていようと
ソファに体育座りしながらスマホを弄る。
別に何か見たいわけでもなかったけれど、
適当にSNSを眺めたり、通販サイトを見ていたり。
時間を潰すために指をスライドする。
そのうち信五さんがガシガシと頭を拭きつつ、
上半身裸のまま現れては、
冷蔵庫を開けてビールを出す。
上がってきたのかわかったから、
ビール飲むかな？と思って立ち上がろうとしたのだけれど、
村「自分で取るからええで？」
とここにそのまま居るように言われたから、
何も気にせずに引き締まった背中のラインを眺める。
不意に振り向いて、
村「なぁ？今日、誰か来たん？」
そんなことを言うからドキリとしてしまう。
けれど、平静を装って、
「なんで？」
と返すと、
村「見慣れへん箱が入っとるから」
あー、あれのことか。
「今日、友だちが来たの」
村「そうやったんか」
「うん、そう。食べる？
信五さんの分もってタルト買ってきてくれたんだ」
村「俺は甘いの苦手やし、
明日にでもAが食べたらええよ？」
ビール片手に私の頭に触れてから、横に座る。
それから私にキスを降らせて頬を撫でる。
少しだけ香るのはアルコールの香り。
それに少しだけ苦いのはビールの味。
もうどこからもシトラスの香りはしなくて、
信五さんで包まれる。
それなのに
頭の中で隆先生のことを考えながら抱かれるのは
何度目だろう。
…もう数え切れないくらいだ。
私の身体を支配しているのは昔も今も隆先生で、
低く囁く声だけで体が反応するくらいにまで仕立てられている。
信五さんの優しい抱き方も嫌いじゃないけど、
私を満足させるには刺激も興奮も足りなすぎて、
だから脳内で隆先生がそばで見ていて
信五さんに私を抱かせている
なんて妄想をしながら昇りつめていた。
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華絢(プロフ) - ひみささん» まったく違いすぎて、引かれないか不安ですΣ(ﾟдﾟlll)ｶﾞｰﾝ (2018年2月19日 19時) (
レス) id: 1867a62e47 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開、ありがとうございます(*^^*) 今までと違うテイストのようで、続きが楽しみです♪ (2018年2月19日 19時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年2月19日 18時
