37-屈辱-(Side隆平) ページ37
いつも、いつもいつも。
僕らのことを顎で使って、
美味しいところを全部持って行って。
しまいには
村「お前ら全員、
俺には一生勝てへんし、超えられへんわ」
とガハハっと豪快に笑う姿は、
僕ひとりにしてきたことやないんやけど
屈辱という感情しか与えへんかった。
そんなこいつがAちゃんの結婚相手やなんて。
ふたりの結婚式に呼ばれたのは2年と少し前。
高砂で微笑むAちゃん。
なんとなくシアワセそうやなって思ったのに、
2年位した時にAちゃんから連絡が来た。
「隆先生。少し話とかしたいなって思って」
家庭教師をしとった時から、その後も。
Aちゃんは僕のことを先生と呼ぶ。
最初はくすぐったかったこの呼び名も、
今は講師をしとることもあって違和感はないんやけど、
その前に、抱き合いながら潤んだ目で
「隆先生…」
なんて呼ばれると興奮した。
丸「ええけど…？どうしたん？」
「…なんとなく会いたいって思って」
最初はまさかそんなことになるとは思ってへんかったんやけど、
連絡を貰って数日後。
家に行くことは憚られたんやけど、
Aちゃんが大丈夫やって言うし、
ゆっくり話したいから家が良いって泣き付かれるしで
重い足取りで向かったマンション。
エントランスまでは中庭になっとるこの場所は、
午前中やから小さい子連れのママさんたちが
子どもと遊んどって平和な光景が広がっとる。
一応な。
なんかあってもあれやから、
そこそこちゃんとした格好して。
手土産にAちゃんが昔から好きやったスイーツ買って。
そんなんでここに来た。
部屋番号を押す指が震えるのに、
マンションについたというメッセージをしとったからか
エントランスにAちゃんの姿が現れた。
「隆先生。いつも旦那がお世話になっております。
お待ちしておりました」
まるでなにかの先生のように、
僕に営業用とでもいうような笑顔を向けて挨拶するから、
周りに居ったママさんたちの好奇の目から逃れることができた。
エレベーターでも無言で、廊下もずっと無言のまま。
僕の前を慣れたように歩くAちゃんの後ろをついて部屋の前に来た時に、
その扉を開けながら、
ゆっくりと振り返ったAちゃんの顔は
少しだけ赤く染まっていて、
僕が玄関に入った途端、
扉が閉まる直前には腕が首に絡まっていて、
懐かしくて甘い舌が僕の唇を割っていた。
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華絢(プロフ) - ひみささん» まったく違いすぎて、引かれないか不安ですΣ(ﾟдﾟlll)ｶﾞｰﾝ (2018年2月19日 19時) (
レス) id: 1867a62e47 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開、ありがとうございます(*^^*) 今までと違うテイストのようで、続きが楽しみです♪ (2018年2月19日 19時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年2月19日 18時
