66 ｰiwｻｲﾄﾞｰ ページ18
忘れていたつもりで、忘れられてなかったようだ。
女子に囲まれる阿部を見て、いつかのように、阿部の好きな子を探してしまっていた。
ずっと採寸してもらってるあの子かな。
なんか楽しそうに話してるし。
目を合わせているあの子だったり。
相手の子は少し顔を赤くしてるし。
でも、阿部は北斗に目をやった。
もしかして、なんて思って眉間にシワを寄せた。
可笑しいよなぁ、考えすぎだよな。
でもあの2人仲良いし。
ふと北斗から阿部に視線を切り替えると目が合って、先程まで好きな子に向けられていたかもしれない視線が辛くて顔を背けた。
はぁ……
俺はひとつため息をついて教室から出ていく。
向かったのはトイレ。
個室に篭ってようやく冷静になる。
最近好きな気持ちが大きくなってきているような気がして、今だって付き合ってもないのにヤキモチ妬いて。
で、目線逸らして阿部を困らせる。
しかも阿部の女装とか可愛いに決まってるし、想像しては一人興奮を抑えきれずにいた。
もうそろそろ勢いで想いを伝えてしまいそう。
やっぱり誰かに相談相手になってもらうか。
そうしないと暴走する。
だとしたら慎太郎かな。
何かと気にかけてくれてるし。
ダンス部で仲良いし。
俺はトイレの水を流してようやく教室へ向かう。
廊下を歩いていると最終下校時刻の放送がかかって、急いで教室へ戻った。
｢照、どこ行ってたの？｣
教室へ着いて1番に声をかけた阿部の方を見ると、まだ衣装は出来ていないものの髪を弄ってもらったのか耳にかけていて、女子並みに可愛い阿部がいた。
ドキドキと心臓が音を立てる。
不思議そうに首を傾げれば、周りの男子も阿部を見てあーだこーだ言っている。
本人は気付いてないのが罪深い。
｢えっと、トイレ……｣
｢そっか。もう今から部活？｣
顧問がいれば最終下校時刻を過ぎても活動が出来るのだ。
それにダンス部としての公演もあるから練習はしなければならない。
｢うん、部活だね｣
｢バイバイ、頑張って！｣
手を振って可愛く見送られれば、おぅ……と小さく返事をして慎太郎と共に多目的室へ向かう。
｢なにあれ、心臓に悪すぎる……｣
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桜井サラ(プロフ) - ふかやのねぎさん» ありがとうございます！！こちらこそ読んでいただけて光栄です！更新遅めですが頑張ります...！ (2020年9月23日 1時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ふかやのねぎ(プロフ) - いわあべの学園ものなんてなかなか無いので嬉しいです！これからも頑張ってくださいね！！ (2020年9月22日 18時) (レス) id: 55d9539a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年9月13日 14時
