31 ｰiwｻｲﾄﾞｰ ページ31
阿部は私服だからかいつもより、何処か大人っぽく見えた。
｢ジェシーが言い出したのに1番遅いのかよ！｣
慎太郎が遅れてきたジェシーにツッコむ。
ジェシーの私服もその身長と相まってまるでモデルみたいだ。
打ち上げと言っても、近くのチェーン店で晩ご飯を食べるだけなのだが初めて5人で学校外で会った。
店の中に入っても未だ落ち着かない。
俺の隣に阿部。その隣に北斗。
向かいにジェシーと慎太郎。
見慣れない風景にそわそわしていた。
注文が終わり一段落するとみんな少し肩の力が抜け、いつもの雰囲気に戻っていった。
相変わらずくだらないことでボケだすジェシーと慎太郎。
ツッコむのは大体北斗か阿部か俺だ。
でもたまに北斗もボケに走ると大変。
うるさくてしょうがない。
まぁジェシーと慎太郎にスルーされてる時もあるんだけど……
そして話題は誕生日の話。
｢俺もうすぐ誕生日だから！！｣
プレゼントが欲しいのかアピールしてくるジェシー。
結局いつなんだよ。笑
｢俺も俺も！6月18日｣
嬉しそうに手を上げ報告する北斗。
それも華麗に無視して慎太郎が問う。
｢阿部ちゃん誕生日いつなの？｣
｢俺は11月27日｣
｢照は？｣
｢……5月17日｣
5月かぁと一瞬納得すると、他の3人も揃って俺を見る。
｢終わってんじゃん！｣
｢言ってよ〜｣
｢おめでとう！！｣
口々に俺に文句を言ったり祝ってくれたりする。
｢いや、自分から言うのもなって｣
｢俺を見習いなさいよほんとに！｣
ジェシーは眉をひそめて唇を尖らせ言ってくる。
確かにさっき自分から言っていたばかりだ。
｢誕プレジュース奢る券でいい？｣
1番静かにしていた北斗がそう発し、俺は吹き出す。
｢絶対もっとマシなのあっただろ！笑｣
北斗のその発言に乗っかる人が続出。
ジェシーは肩たたき券なんて言い出すし、慎太郎にいたってはダンス教えてあげる券らしい。
俺の方が歴長ぇよ。
みんながガヤガヤと誕プレの話をしている中、阿部は静かに見守っていた。
いつもだったら阿部も爆笑して手を大きく叩きながらツッコんでいるはずなのに。
｢体調でも悪い？｣
｢え！いや、別に何でもないよ！｣
俺がこっそり聞くと、体を跳ねさせ慌てて否定する。
声が裏返ってるし変に焦っている。
なんか怪しい。
でも別の話題になった時はいつものように笑っていたので本当に何もないみたいだ。
唐揚げをつまみながら俺もまた話に戻っていく。
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桜井サラ(プロフ) - ゆのんさん» コメントありがとうございます！励みになります…更新頑張ります！！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: fc4b9231a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年4月25日 8時
