32 ｰiwｻｲﾄﾞｰ ページ32
打ち上げはお開きになり、カラオケに行くかと言っていたけどさすがに時間が遅かったからやめた。
駅まで戻ると、ジェシーと慎太郎と北斗は俺らと反対側にいる。
3人は俺と阿部と逆行きの電車だった。
向こうの電車が来て手を振りながら見送る。
電車の中でこちらに変顔をする慎太郎が見えた。
阿部も見えたみたいで俺と同じように笑いながらまだ手を振っている。
手を振るのをやめたのは電車が見えなくなってからだった。
俺らの電車はまだなのでホームの椅子に座って待つのだが、なんだか妙に意識してしまう。
傍から見ればただ男子高校生が2人座っているだけなのだろうが、それが阿部となると話は別だ。
少し触れ合う足も意識してしまって固まってしまう。
｢あ！そうだ｣
若干緊張気味の俺に阿部が声をかけた。
カバンの中をごそごそ漁り、出してきたのは何やら黄色い袋。
｢これ、照にあげる｣
｢え、急に？なんで｣
俺なんかしたっけ？
そう思いながらも差し出されたそれを受け取りながら、ニヤける顔が抑えられない。
｢誕生日、プレゼント……｣
｢え、知ってたの？｣
｢LINEのプロフィールに書いてた｣
開けていい？と阿部に聞けば、恥ずかしそうに頷く。
誕生日の話題の時少し慌てていたのはこのせいか。
袋を覗くと黒を基調とした財布。
折りたたみ式のやつ。
｢え！めっちゃいいじゃん！｣
｢なら良かった｣
阿部の表情が不安そうな顔から一気に明るくなる。
爽やかな笑顔で両手を口元の前で合わせていて…
それを見て俺も余計に嬉しくなる。
あ、俺こいつ好きだな。
唐突に、その感情が腹の奥から押し上げてきた。
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桜井サラ(プロフ) - ゆのんさん» コメントありがとうございます！励みになります…更新頑張ります！！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: fc4b9231a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年4月25日 8時
