20 ｰiwｻｲﾄﾞｰ ページ20
あれから2週間。5月に入った。
学校周りの木々は桜色からすっかり夏の色へと変わり、窓際の席は少し暑さを感じる。
球技大会から間もなくテストが始まろうとしている。
怪我が治るまでの1週間。
テスト前だったので部活はなく、みんなから遅れを取ることもなかった。
テストの方はというと得意な社会はまだ大丈夫だとして、理科数学が絶望的……
授業はちゃんと聞いてたものの、ペンは進んでいなかった。
勉強と言えば、阿部がクラスでトップになるだろう。
ジェシーは俺と同じで。
というか俺より数学が出来ていないみたいだ。
ジェシーの持ち前の人懐っこさで、今は阿部に勉強を教わっていた。
阿部がジェシーの隣の席に座って机を覗き込む。
なんか、近くね……？
ジェシーがノートに書き込む度に、阿部は覗き込んで正解！なんて言ってはしゃいでいる。
｢なぁ北斗。化学教えて｣
｢俺は日本史しか教えられないよ。化学なら阿部ちゃんに教えてもらえばいいじゃん｣
｢いや、あの通りだし｣
そう言って真剣に取り組む2人を指差す。
あぁ、なんでみんなして阿部に頼るかなぁ……
｢放課後にでも聞いたら？｣
北斗は軽くそう言うけど、阿部はいつも放課後すぐに帰ってしまうし、自分の勉強もするだろう。
阿部の邪魔は出来ない。
俺は開いていたノートを閉じ机の中にしまう。
｢あぁもうやーめた｣
やけくそになって頬杖をつく。
慎太郎が前の阿部の席に座って俺の方を向き、真似するように頬杖をつく。
｢そうしよそうしよ。俺全然勉強してない｣
眉をクイッと上げてそう言い切るから、俺もそれに乗ることにした。
でも負けず嫌いの性格上、勉強しないというのは出来なくて家に帰るとすぐに机に向かった。
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桜井サラ(プロフ) - ゆのんさん» コメントありがとうございます！励みになります…更新頑張ります！！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: fc4b9231a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年4月25日 8時
