19 ｰiwｻｲﾄﾞｰ ページ19
｢大丈夫？｣
宮舘先輩が俺を支えながら心配そうに聞いてくれる。
俺は怪我した左足を庇いながら、優しい宮舘先輩に甘えて肩においた手に体重をかける。
｢ご迷惑おかけしてすみません……大丈夫です｣
｢って言いながら体重かけてきてるけど？｣
そう言ってんふふ、と笑う先輩に申し訳なさが込み上げて俺は合わせて愛想笑いで返す。
俺らは俺の教室に向かってるわけだが、1年生の教室は3階にあるため階段を登らなければいけない。
片足に重心を傾け、宮舘先輩に助けられながら階段を登る。
｢ふっかがいて良かったね｣
｢はい……改めてお礼したいんですけど……｣
｢ははっ、そこまで気を使わなくて大丈夫だよ。ふっかはダンス部のメンバーと仲良いしね｣
ふっか。というのが深澤先輩を指しているらしい。
宮舘先輩も仲が良いのだろうか。
｢ふっかはバスケ部なんだ。だから君に気付けたんだろうね｣
｢そうだったんですか……｣
どうりでテーピングが上手かったわけだ。
足元を見てそれを思い出す。
｢しばらくダンスも無理そうだね〜｣
｢すみません……｣
｢まぁ、気を落とさないでよ。早く治さないとね｣
｢治ったらすぐ追いつけるようにします！｣
｢うん、そうだね｣
宮舘先輩はまた笑って回した手で肩をトンと叩いた。
話しているうちに教室にようやく辿り着いた。
｢照！！｣
そう呼んだのは阿部で、目を見開いて俺を見ている。
足元に目をやって気付いたようで掃除を止めてこっちへ走ってきた。
同時に樹と慎太郎は一緒にいた宮舘先輩に気付いたらしく、ペコリと頭を下げる樹と笑顔でこちらに駆け寄ってくる慎太郎。
それに気付いて樹もこちらに走ってくる。
｢照、その足どうしたの！｣
｢先輩！どうしたんすか！｣
｢照くんを送り届けにね、足捻っちゃったみたいで｣
｢すみません、ありがとうございました｣
俺がそう頭を下げると、何故か3人も一緒に軽く頭を下げた。
宮舘先輩はニコっと笑って俺を見る。
｢いやいや、いいよ。それよりちゃんと掃除しろよ？｣
はい！と3人が散っていくと先輩は俺に耳打ちした。
｢いい友達を持ったね｣
それだけ言ってひらひらと手を振って去っていった。
その後ろ姿はキリッとしていてとてもかっこよくて、俺もそんな先輩になりたいと思った。
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桜井サラ(プロフ) - ゆのんさん» コメントありがとうございます！励みになります…更新頑張ります！！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: fc4b9231a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年4月25日 8時
