転生したら神様になった件【gnsn】 (ページ3)

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"神に選ばれし者"の解釈が違って居た。他の神に選ばれてこの世界にやって来たのかと思えば、自身が神に選ばれたのだと知ると尚更この世界での私が必要不可欠だと感じられた。

川の水を少し飲み、誰かが意図的に作った道を歩きながら前へ前へと進んでいく。黒夢病になる花は中々見つからず、本当に希少なのでは無いかと不思議に思っていれば、清泉村という村に到着した。しかし到着しても誰も村の外には居らず、人の気配すらしなかった。

此処に来るまでも、人に一人ぐらい会えるだろうと思っていても合うことが出来ずにいた。それだけ深刻なのかと思わされると自身も感染したら非常に危険な状態に陥るのかと思うとゾッとする。

「お嬢ちゃんこっちに来なさい！！！！！！奥に行くと危険だよ！！！」

『 …いや、私は』

「家の中に入りなさい！！！！！早く！！！！」

突然人が現れ腕を掴まれたと思えば思いっきり強い力で引かれ、家の中へと急いで連れ込まれる。新手のやり口だろうかと警戒するも、その家の中に入れば一目瞭然だった。────────沢山の病人が小さな家の中に何人も居たからだ。感染力が無い黒夢病はただ罹ったものだけが苦しむというもの。そこら中から苦しそうな声が聞こえてくると此方までもが心が痛む。

「すまんな、此処には黒夢病を患っている奴らしか居らんのだ。」

『 …お構いなく。此方こそなんか、すみません。』

「此奴らみたいにお嬢さんがなって欲しく無くてな。強く掴んだろう、ほれ手当てするぞ。」

『お気になさらず。』

「そうかいそうかい。…お嬢さんは何故清泉村に？此処ら一帯は花が芽生えやすい場所だ。モンド城近くにいた方が安心だろうに。」

『 …んー、旅をしていて。余り黒夢病の事は知らずに此処まで来たんです。』

「だから此処に迷いこんだのか、ふむ。…黒夢病は見てわかる通り酷く残酷な病気じゃ。活気があったモンド城でさえ静まり返るような…儂は年長者であるが、若者の此奴らが先に早死するとなると心が痛む」

酷く悲しそうな声で発するお爺さんを横目に情が湧いている訳では無いが、背中を摩るようにして慰めるしか私には方法が無かった。
人は何時か老いて死んでしまう。この世界に不老不死や長寿が居たとしても他人の死ぬ未来は変えられない。その運命が今であり、朽ちるのも今であるというのならば黒夢病が合ってもなくても私は構わなかった。

『 ────。』

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