私達は双子で私は苦労人。【すとぷり】

姉も妹も関係ないから、楽しく生きよう。 ページ32

貴方side

「人は中身って言うけど、まず見た目が良くないとそこ(中身)まで辿り着かないよね」

ななもりさんが淡々と語る。

「顔があんまり整ってなくてそれがコンプレックスだっていう子、多いと思う。
でも、必死に努力して綺麗に可愛くして生活して」

「そして今それを全てさらけ出すってことは相当な勇気がいると思うんだよね。
でもやっぱり、それができたこそ雫ちゃんやAはかっこよくて可愛い」

「雫ちゃんを好きになった俺らからしてみればもうそりゃ、見た目が6割以上占めてたぜ。
でもだからって中身を見てなかったってことじゃない」

「しっかりと見てたからこそ好きになったんだよ。
雫ちゃんだけじゃなくAさんも。
恋愛対象や、家族対象として」

「別に、自分自身を魅せるって変じゃない。
めちゃめちゃかっこいいし、めちゃめちゃ素敵。
そんな自分を捨てないでほしいな」

それにジェルさん、莉犬さん、さとみさんころんさん、るぅとさんが続く。
雫にだけ言ってるんじゃなくて、私にまで言ってくれるってところ、本当に優しい。

「っ……」

雫の瞳からは涙が出ていた。
彼女に似て、透明で綺麗で輝いている涙。
ついでに言うと、私の目の前も滲んでいる。

『っ……』

下を向くとすぐに落ちてしまいそうだ。

「自分やあの子が嫌いってこと、人間だからあると思う」

「でも、嫌いってことはその人に興味があるからだろ？」

「興味が無いのなら、とっくに出てってるって」

涙が溜まり、落ちそうになる。

「だから、一人で抱え込まなくてもいいんじゃないかな」

だめだ。
そう思った矢先、私の瞳からは涙が飛び出していた。
顎の先は彼らが集い、大渋滞。
最近はよく泣く。

「大人だって人を頼っていいんだよ」

「大人だからこそ、人を頼るべき」

擦っても擦っても止まりゃぁしない。

「大丈夫」

誰かに包まれた。
小さそうだけれど大きな胸板。
顔をあげれば

「大丈夫ですよ。
今は泣いても誰も何も言いません」

るぅとさんが私を柔らかく抱き締めていた。
その温かさにほろりと再び涙する。
雫の方に目をやればジェルさんやさとみさんが頭を撫でていた。
が、雫が泣き止む様子は見られない。

「あ”っ…あ”………」

「あー、はいはい。
大丈夫、大丈夫。鼻水かみましょうねー」

「なーくん、それもうお母さんだから」

そんな彼女彼らに一安心。
私は気が済むまでるぅとさんの腕の中で静かに泣き続けた。

チョコにいちごは無敵だろ。→←知らなかったことに気づいた時の達成感。

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