ポートマフィアのメイドさん

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「うん！いいわね！これにしましょう！」

試行錯誤を繰り返した結果、ガウピョ？ガウチョ？だとかなんだとかのズボンにソーレースの上とカーディガンのエリス様曰く、大人っぽい感じ！のコーディネートに決まった。
そしてもう一つ。
普段なら絶対着ない。タイトスカート。しかもスリットが入ってる、結構大きめに。それに合わせて上も靴も買った。
普段着ないものだからこそ、エリス様に選んでもらって堂々と履けるのかもしれない。自分が選んだものなんて絶対自信なんてもたないだろうなと思う。

「ありがとうございました。」

私たちは店を後にしてお土産にケーキを買いに行くところだ。
店員さんもありがとうございました。とってもた助りました。
今日一日はこの小さい主人に逆にお世話になってしまった。嬉しいが、申し訳ない様な気持ちも込み上げてくる。

「エリス様、今日は本当にありがとうございました。私、首領やエリス様にふさわしいメイドになれる様、日々精進致します。」

私が言うと、エリス様の顔は途端にしょんぼしてしまった。

「………Aは充分尽くしてくれているわ。本当に、申し訳ないくらい。」

悲しそうな顔、何か悩んでいる様にも見える。いつも元気なエリス様のこの様な姿は稀で私は少し戸惑う。

「エリス様………どうしたのですか？何か悩んでおられるのですか？」
「違うわ……ねえ、A。あなた恋をしたことは無いの？」
「恋……ですか？」

突拍子も無い。恋？え？エリス様は急にどうしたんだろうか。

「今は首領やエリス様が良くしてくださって、私本当に幸せですよ。」
「でも、恋をしたらもっと楽しくなるわ！Aは自分のやりたい事は無いの？」

正直、やりたい事は無いか、と急にいわれても困る。先日中也様にも聞かれた気がするけれど私はそんなに毎日つまらなそうにしているのか？だとしたらそれはメイドとして死活問題では無いだろうか！

「あの、エリス様私そんなにつまらなそうにしていますか！？」
「Aいっつも寂しそうなのよ。だから、このお仕事が嫌なのかと思ってたの………でも今日、とっても楽しそうにしてくれたから………やっぱりAも好きなことがあるのに、私たちがそれを潰してしまったんじゃ無いかと思って………私………いっつもAを縛っていたんじゃ無いかって……だって、いっつもAのこと振り回して……私……」

エリス様はわんわん泣きだしてしまった。エリス様の心配は私のことだったのだ。しかも、相当悩んでくれていたらしい。こんなに泣き腫らすエリス様なんて初めてで、私は戸惑うばかりだった。

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