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肆拾参話 ページ5







「さて、秘蔵映像にお付き合い頂いたが何かお気付きでないだろうか殺せんせー?」





タイミングが良いのか悪いのか床に溜まった水がちゃぷちゃぷと音を立てて揺れる。

これも満潮のおかげ、誰も水は流してないのに水が床に流れてる。
いやぁ、ありがたいなぁ。





「俺等まだなんにもしてねぇぜ、誰かが小屋の支柱を短くでもしたんだろ」

「船に酔って恥ずかしい思いして海水吸ってだいぶ動きがにぶってきたよね」





テストに勝った私含めた7人が席から立ってせんせいの触手に銃口を向ける。





「本番だよ、せんせい。避けないでね」





最後に小さくそう呟いて7人が一斉にせんせいの触手を撃つ。

その瞬間に離れの小屋の壁が倒れて水の中からフライボードに乗った皆が水圧の檻を作る。
間が空いている所にはイルカが飛び跳ねてホースで防ぐ。
次は水の中から律ちゃんが出てきて射撃を開始し始める。フライボード、水上の檻以外の人が一斉に当たらない攻撃をせんせいに仕掛ける。
それで弾幕を張って逃げ道を防ぎ、とどめの2人。


2人が引き金を引いた瞬間、せんせいの全身が閃光と共に弾け飛んだ。





「っ、けほっ、」





勢いに負けて誤って海の中に入ってしまった。辛うじて目を開けると私に向かって伸ばすその手を掴んでなんとか水から顔を出すように引き上げてもらった。





「水飲んだら今のうちに吐いとけよー?」

「念の為に、って思って近くにいて良かった。大丈夫か?」

「っ、は、…ありがと〜」




引き上げてくれた前原くんと磯貝くんにお礼を言って、何回か咳をして呼吸を整える。
そうしてすぐに烏間せんせいの指示が響き渡った。





「油断するな!!
奴には再生能力もある、片岡さんが中心になって水面を見張れ!!」

「はい!!」





磯貝くんが橋の近くまで引き連れてくれて最後にAは上がっとけ、と気の利いた一言を言ってくれた。
その言葉に甘えて橋に上がって含んだ水を落とす。

逃げ道がどこにも無かったにしろあったにしろ、あれは……。





「手応えが無かった…?」





いや、よく分からない。
当たったか当たってないかどちらかによって大分その答えが変わる。私がとどめを刺してないにしろこの手応えは何?

水に濡れた右の手のひらを握って開いて、何回か繰り返す。
その間にも私の中には疑問と気持ち悪い違和感しかわかなかった。

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たびのひと - はじめまして!とても面白いです!一日で全部読んじゃいました!更新待ってます! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 06a128996a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カノ | 作成日時:2020年1月12日 2時

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