あやとり。【文スト】【暗殺教室】

弐拾伍話 ページ29

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「ふぁ〜あ、」




横で大きく欠伸をする赤羽くん。
思わず苦笑いになって勉強していた手を止める。




「こらカルマ君、真面目に勉強やりなさい！！君なら充分、総合トップが狙えるでしょう！！」

「言われなくてもちゃんと取れるよ、あんたの教え方が良いせいでね」




そう言って赤羽くんは自分の顔に乗せていた本を取る。




「けどさぁ、殺せんせー。あんた最近トップを取れって言ってばっかり、フツーの先生みたいに安っぽくてつまらないね」




…赤羽くん、このせんせいに何を求めるつもりなんだろう。
確かにフツーじゃないのが売りなのかもしれないけど、今はそんな子どもみたいな我儘言ってる場合じゃないと思うんだよねー。




「それよりどーすんの？
そのA組が出した条件って…なーんか裏で企んでる気がするよ」




ここまでくると異常だよね。E組に対する執着心、というよりうーん…なんだろ。
A組には悪いけど頭おかしいって勝手に思ってるよ私はね。




「ヌルフフフ、先生に考えがあります。さっきこの学校のパンフを見ましたがとっても欲しいものを見つけました。これ(・・)をよこせと命令するのはどうでしょう？」




せんせいが触手で指さしたところには沖縄離島リゾート2泊3日と書いてある。

へー……そんなのあったんだ。
私も一応、パンフはパラパラ開いて捲ったけどそこまで目がいかなかった。




「うふふ、見てなかったのかい？」

「……邪魔です、太宰さん」




ずしり、と頭に重みが加わる。姿を見なくても声が聞こえたから分かる。

今年で終わるから、そんな言葉を飲み込んで勉強する手を再開させて言う。




「興味なくて」

「……そう」




その含んだ言い方をする言葉は気になったけどここで聞くのはちょっと気が引ける。

プライベートな話だと、教室じゃしにくいからね。




「君達は一度、どん底を経験しました。だからこそ次はバチバチのトップ争いも経験して欲しいのです」




……どちらも経験することによってその人生ごと大きく変わる、って言いたいのかな？

どん底に行ったからって次からがせんせいの言うトップ争いかどうかなんて分かんないのにさ。まー、今はそれでいいのかもしれないけど。




「先生の触手、そしてコレ(・・)。ご褒美は充分に揃いました。暗殺者なら狙ってトップを殺(と)るのです！！」




……何点目度を目指そうかな。

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