弐拾肆話 ページ26
.
「はい、でーきた」
開始から2分、計算が終わって答えが確定したところでそう呟く。
それから1分後、その五英傑の1人も解き終わった。
「んじゃあ、A。答えは?」
「10月30日」
「で、五英傑サンは?」
「11月15日」
答えの相違、その時点で私の勝ちは確定。だってこんなの間違える理由がないんだもん。逆に間違える方が難しい。
それから理由を説明して完璧に論破。いやー、楽しいねぇ。こうやって自分より下だと思ってた人に負かされるとかさ。これこそ下克上って感じがして結構好きなんだよね。
「んーと、答えは10月30日。てことでAちゃんの輝かしい勝利〜」
「わーい」
中村さんが答えを言って私は笑う。目の前の小山くんは学習書を机に叩きつける。
「お、おまえ、どうせズルしたんだろ!!E組ごときがA組に勝つわけないんだ!」
「……負け犬ほどよく吠えるってまさにこの事だと思わなーい?私はズルとかしてないし負けたんだから素直にそれ認めれば?」
あーあ、多分今の顔、最高に悪い顔してるよ。
叩きつけられた学習書を手に取ってまたテキトーにページをめくる。
「…じゃー、次はそっちが問題を提示する?」
図書室の本棚に丁寧に並べられている数多の学習書を見てそう言った。
「面白い、じゃあこういうのはどうだろう?
俺等A組と君等E組、5教科でより多くの学年トップを取ったクラスが負けたクラスにどんな事も命令できる」
人数も頭のレベルも一応はそっちの方が有利なのに。よっぽど負けたくないのか、それほどに余裕が無いのかな??
……所詮は遊び、ばかみたい。
「どうした?急に黙ってビビったか?自信あるのは口だけかザコ共。なんならこっちは…"命かけても構わないぜ"」
その言葉に反応したのは4人。
潮田くんと神崎さんはシャーペンで。中村さんは定規で。磯貝くんは指で。全員が喉元を刺しかけていた。
「命は…簡単に賭けない方がいいと思うよ」
そう言った潮田くんの言葉に口元に手を添えて笑う。
予想以上に飛躍的な成長を遂げてるとでもいうべき?
すごいなあ、ほんとに。せんせいの教育のおかげだね。
「じょっ…上等だよ、受けるんだなこの勝負!!死ぬよりキツい命令を与えてやるぜ!!」
はいはい、幼稚で稚拙なその態度をそれ以上、露呈しない方がいいと思うけど。
その言葉を聞いて左手で回していたシャーペンを止めてまた勉強に専念した。
149人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやねっち - 台詞の隣に名前を書いてください誰が言ってるかわかんないです (2020年4月20日 15時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)
カノ(プロフ) - ReーLさん» ありがとうございます!更新頑張らせて頂きます! (2019年12月21日 14時) (レス) id: 272a605e22 (このIDを非表示/違反報告)
ReーL(プロフ) - ば、番外編...どっちも好き...更新頑張ってください!!通知来たら飛んで来ます! (2019年12月21日 0時) (レス) id: 290daac57c (このIDを非表示/違反報告)
カノ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!そう言って頂き、とても嬉しいです!これからも更新していきますので、よろしくお願いします!! (2019年12月18日 21時) (レス) id: 272a605e22 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 文章がとても読みやすい…!続きがどんどん気になります ! (2019年12月17日 21時) (レス) id: 72fefee69b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カノ | 作成日時:2019年12月7日 12時