あやとり。【文スト】【暗殺教室】

玖話 ページ11

．






「…いや別に泳ぐ気分じゃないだけだし。水中だと触手がふやけて動けなくなるとかそんなん無いし」




いや、嘘下手か。
思わずそうツッコミたくなるぐらいだった。極めつけにはそのふやけた触手を見せびらかすように一番目立つ顔の横に置いている時点で分かりやすいし。




「！
あ、やば、バランスが、うわっぷ！！」




聞こえた時にはもう遅かった。茅野さんはバランスを崩して溺れかけていた。
私の今の状態では水にはいることすらままならず、手も足も出ない状態。




「かっ、茅野さん！！このふ菓子に捕まって、」




せんせいがそう云うのと同時に誰かが水の中へと飛び込んだ。

……てゆーか、ふ菓子に捕まったってなんの意味もないと思うの私だけ？？




「水の中なら出番かもね」




茅野さんを連れて浅いところに泳いできたのはE組の女子学級委員長の片岡さんだった。

一安心。息を吐いてまた太宰さんの方へ視線を移す。




「ところで君は泳がないのかい？」

「水着は持ってきてないです」

「"態と"だろう？」

「…さぁ」





水に入って暗殺、水中で暗殺する経験なんてほぼ無い。それに私の異能力は水辺では使えない。ごくフツーの一般人を拘束するならまだしも相手はマッハ20の超生物。拘束出来ても抜けられるのがオチだから。

でも、水が弱点ってゆーのは結構使えるかもね。簡単に手に入るものだしなんなら、そこら中にあるし。





＿＿＿＿＿



「私の考える計画はこう。
この夏の間、どこかのタイミングで殺せんせーを水中に引き込む。それ(・・)自体は殺す行為じゃないからナイフや銃よりは先生の防御反応も遅れるはず」




放課後。
E組"ほぼ全員"が裏山、沢近くに集まり今日見たせんせいの行動と今までの行動を考察して本当に水が苦手なのかどうか。そしてもし本当に苦手な場合の暗殺方法を急遽、企てることになった。




「ふやけて動きが悪くなった所を水中で待ち構えていた生徒がグサリ！水中にいるのが私だったらいつでも任せて」




片岡さんはそう言って髪をまとめる為のバレッタを外し、その後ろに着いたナイフを見せる。

……凄いなぁ、殺す気マンマンって感じで。





「髪飾り(バレッタ)に仕込んだ対先生ナイフでいつでも殺れる準備はしてる」




問題は、あのナイフだけで殺れるかどうかなんだけど〜。
人間みたいに致命的な急所があればって思うのは私だけじゃないはず多分。

話は変わるけどでも案外。こっちのほうも頼りになるんだなあ。

拾話→←捌話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す