67個目 緑間side ページ19
ほんの少し驚いた。あいつが落ち込む姿を想像できなかったからだ。
「いつもふざけていれば、落ち込んでいたとしてもみんないつものAだって思うでしょ?あの子はああやって本当の自分を隠す時があるの…だから緑間くん、Aの事、お願い」
正直、俺には関係ない、そう言いたかったが俺の考えとは別に口が勝手に動いた。
「あぁ、分かった」
「…!ありがとう!じゃ、またね!」
俺の言葉に満足そうに笑うと俺に背を向け走って行くA。
いつもふざけているとは思っていたがそんな理由もあったとはな。
決勝リーグ_
高尾には行かないとは言ったが、やはりその行く末は気にはなる。バレないように会場へ行ったが黄瀬にバレ、まさかのAにまで見つかってしまった。
誠凛と桐皇の試合を見ながら話をしていると、当然ながら桃井の話題になった。黄瀬は桃井が桐皇に行ったことを知らなかったみたいだな。
「まぁいい…ならば尚更なのだよ。黒子が試合で手を抜かれることを望む筈がないのだよ。そもそも形は違えどあいつのバスケに対する姿勢は選手と遜色はない、試合でわざと負けるようなそんなタマではないのだよ……」
黄「……Aっち?」
『…ん?』
黄「どうかしたんスか?」
黄瀬の声に俺も横目でAを見た。
『……何もないよ?どうして?』
黄「いや…何もないならいいんスけど」
「……」
あいつの言う通りだった。
姉のAに聞いていなければ気付かない程一瞬だったが、見たことのない表情をしていた。
酷く落ち込んだような、諦めに近い表情。今お前は何を考えているのだよ。
誠凛と桐皇の試合が終わるや否や、俺はすぐに黄瀬に別れを告げた。
「A」
俺のすぐ横を歩くAに声をかけたのはいいものの、何をどう聞いたものか。俺は少し考えた所で無駄なような気がした。
『ん?』
「……… いや、何でもないのだよ」
『え、そこまで引っ張って何もなし?』
今聞いてもお前は話さないだろうからな、そう心の中で呟いた。
頼まれたからにはある程度は見ておいてやる。
そう、頼まれたから、なのだよ…
side終
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ワダ(プロフ) - 雪泉さん» 夢主ちゃんと高緑の絡みがほんとに好きです笑更新楽しみにしてます! (2020年3月25日 4時) (レス) id: 24a14ce40a (このIDを非表示/違反報告)
雪泉(プロフ) - ワダさん» コメントありがとうございます!本当ですか!?ありがとうございます!もう自己満のお話で読み手の皆様ガン無視の内容になりつつありますがどうか緩ーく読んでいただけると嬉しいです!更新頑張ます!! (2020年3月24日 17時) (レス) id: fe3260901f (このIDを非表示/違反報告)
ワダ(プロフ) - 声出して笑う場面沢山あって読んでいてとても面白いです笑更新頑張ってください! (2020年3月24日 13時) (レス) id: 24a14ce40a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月21日 17時