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大「A」
『はい?』
練習の休憩時間、キャプテンの大坪先輩に呼ばれた。
何か連絡事項でもあるのかなとメモ帳を片手に先輩の方へと駆け寄る。
『何かありましたか?』
大「あぁ、Aに渡す物があってな。インハイ予選に間に合ってよかった」
そう言って私に差し出された物を見て、私は目を見開いた。
それは先輩達と同じ秀徳のオレンジジャージ。
『〜っ!!!』
声にならない喜びが込み上げた。目を輝かせ、ジャージと先輩を何度も交互に見た。
そんな私の様子に吹き出す大坪先輩。
大「ははっ、お前ももう俺達バスケ部の一員だからな」
『あ、ありがとうございます…!!』
嬉しくて堪らなかった、初めて仲間と認めてもらえたような、そんな気分。
高「お!Aちゃんも貰えたんだな!」
宮「着てみろよ」
みんなの視線が集まっていたが今の私は気にもとめず、宮地先輩に言われ新品のジャージに袖を通した。
『うわ〜っ!ど、どうですか!』
緑「ただのジャージに何を喜んでるのだよ」
高「真ちゃん!ちょっと静かにしてて!」
木「おぉー、似合ってるぞ」
宮「馬子にも衣装だな」
大「宮地」
数名ディスっているがそんなの気にしない!
それ程までに私は舞い上がっていた。
『うわぁ…っ、チームのジャージなんて初めて貰った…!うわっ!?』
柄にもなく1人で喜んでいると突然わしゃわしゃと撫でられた。
宮「それ着たからにはもうやめさせねぇからな!分かったかA!」
『っ、当たり前ですよ!』
大「改めてよろしくな、A」
『〜っ、はいっ!』
『っしゃー!本腰をへし折るぞー!!あ、間違えた、本腰を入れるぞー!!』
高「ブフォwwwwww」
宮「それ逆にどういう意味だよ」
『え、気合を入れて死ぬこと』
木「自分から死にに行くなよ!!」
大「ははっ…」
緑「はぁ…」
インハイ予選も目の前だ、私は出来ることをやるだけだ。
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時