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「そっちは和臣よろしく。」



わたしに赤ちゃんを押し付けた和典は身をひるがえして、

和臣の元へ向かう。



「戻れたら戻るから!」


そう言いながら玄関から飛び出して、門へと走る。




門の大きなかんぬきを引き抜き放り出したとき、

外から門が開けられて、アーヤと和彦が飛び込んできた。




「真実、二人は!?」



和彦の言葉を無視して、

もう大丈夫だからねと赤ちゃんに声をかける。



無視してごめん和彦、それどころじゃない。



「アーヤ、抱っこできるよね。」



そう言ってアーヤの返事は聞かずに赤ちゃんを渡し、

急いで引き返す。




ま、アーヤは妹居るし、和彦よりは大丈夫っしょ。


それより和臣たちが心配!




わたしは、家の中をまた突っ切って、庭に出る。




そのとき、後ろから和典にしがみつかれたお姉さんが、

強引にそれを振り払って、スコップを和臣めがけて振り下ろした。




和臣は、スコップをよけ、お姉さんに左肩を蹴りつけたけど、

スコップは嫌な音を立てて、和臣の左足の甲に突き刺さる。



お姉さんが少しフラッとしたのを見た和典が、

わきからスコップを蹴り飛ばしたから、

スコップはお姉さんの手を離れて、庭の片隅に放り出された。




お姉さんは、和臣に蹴られた左肩をかかえこむようにして、

放心したように土に膝をついて泣き出した。





その光景を見たわたしは、一瞬立ち止まってしまって、

ふと我にかえり慌てて和臣にかけよった。




和臣は、大きく肩を上下させて、荒い呼吸を繰り返している。


だいぶやばいかも。



顔色が、真っ青を通り越して、土色なんだもん。




白いバッシュは、真ん中が裂けて真っ赤に染まっているし。





「大丈夫か?」


「ああ。」


和典に言われて、やっと返事をしたけれど、

すごく痛そうだった。






和典が腕を伸ばして、和臣の肩を抱く。


「歩ける?かついでやろうか?」


「歩く。カッコ悪いじゃん。」



その和臣の言葉を聞いて、わたしも和典と反対側の肩を抱く。
















「名誉の負傷だね。」


わたしの言葉に、和臣が言う。




「立花がいない間に一つ言ってもいい?」



「なに?」


和典が聞き返すと、少し顔をゆがめた。





「すっげえ痛い。」



『だろーな。』






アーヤがいるところに戻ったら、カッコつける気だな、こいつ。

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フェアリー - この作品大好きです!更新頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2021年12月25日 23時) (レス) @page6 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
まーお。(プロフ) - ももんがさん» そんなこと言ってもらえて嬉しすぎます泣 こちらこそ最後までお付き合いいただきありがとうございました! (2020年4月8日 1時) (レス) id: dbfd11264f (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 最後の最後まで最高の作品をありがとうございました!お疲れ様でした!また出会える事を、楽しみにしています!ありがとうございました! (2020年4月4日 21時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
まーお。(プロフ) - マロマロさん» 年明ける前にするはずが…ごめんなさい!もうすぐ終わるので、今日の夕方らへんにちゃっと更新したいと思います! (2020年1月5日 4時) (レス) id: dbfd11264f (このIDを非表示/違反報告)
マロマロ(プロフ) - 更新待ってます 頑張ってください! (2020年1月4日 21時) (レス) id: 1787986370 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/  
作成日時:2019年11月21日 18時

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