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和臣が、くやしそうに言う。



「ちきっしょう。

絶対いると思ったんだけどなあ。だって子供だぜ。

ここ以外どこに置いとくんだ、他にないじゃないか。」




「例えばもう土の中とか。」


フラグ立てんのやめて。






「脅迫状には一年したら返すって書いてあったけど...」




和典が、息をつきながら言う。


「信用できるの?誘拐犯の言うことって。」





いやそれな。






「出直すしかないな。どこかで間違えたんだきっと。

捜査をやり直そう。」







和臣は、明かりのついた家をにらんでいる。



未練があるみたい。





「ちきしょう。」



※二回目です。









また和臣が家に引き返そうとしたのを、

和典が押しとどめた。





「早くズラかろうぜ、先わたしな。」








その瞬間。





一階のベランダがガラッと開いて、

直後に庭の水銀灯の光がついた。




その青白い明りの中に、一人の女の人が現れた。






金沢誠のお姉さんだ!









初めに気づいたわたしが光の届かない、庭の隅の木の間に入る。





「金沢のヤツ、電話切られたな。」



「いやでも今までもたせりゃ、えらいよ。」




小声で言いながら、二人も木の間に隠れた。






お姉さんは、そんなわたしたちには気付かずに、

ベランダに降りてスリッパをはいて、

牛乳のパックを片手に

わきに積み上げてあったプラスチックのお皿を持ち上げた。





猫のミルクかな。





ひどく痩せて、活気のない感じだったけれど、

目だけは大きく見開かれてて、

異様にきらきら光ってて、少し怖い。






この目が、和彦が見つけた穴から覗いてたんだ…。






わたしたちは、息をのんで、お姉さんの行動を見守った。





お姉さんは、わたしたちの前を通り過ぎて、

物置の戸口の前でしゃがんだ。






そして、そこにお皿を並べて置き、牛乳をつぐと、

鍵をポケットから取り出して、扉を開けた。







「出ておいで、ミルクよ。」

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フェアリー - この作品大好きです!更新頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2021年12月25日 23時) (レス) @page6 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
まーお。(プロフ) - ももんがさん» そんなこと言ってもらえて嬉しすぎます泣 こちらこそ最後までお付き合いいただきありがとうございました! (2020年4月8日 1時) (レス) id: dbfd11264f (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 最後の最後まで最高の作品をありがとうございました!お疲れ様でした!また出会える事を、楽しみにしています!ありがとうございました! (2020年4月4日 21時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
まーお。(プロフ) - マロマロさん» 年明ける前にするはずが…ごめんなさい!もうすぐ終わるので、今日の夕方らへんにちゃっと更新したいと思います! (2020年1月5日 4時) (レス) id: dbfd11264f (このIDを非表示/違反報告)
マロマロ(プロフ) - 更新待ってます 頑張ってください! (2020年1月4日 21時) (レス) id: 1787986370 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/  
作成日時:2019年11月21日 18時

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