M Side ページ29
わたしは、そこで繋がってたのかと思った。
アーヤは、ゴクンと息をのみ、和彦が目をまん丸にしてレコーダーを見つめて、和典はレンズをキラリと光らせる。
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「気をつけなくちゃなんないのは、逃げ道だ。おい、しっかり調査しといてくれよ。前のノリは、困るぜ。あの自転車にはまいったからな。」
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あ、和臣のマウンテン・バイクのことだ笑
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「ああ、わかってる。だけど、下見をしたときには、あんなのなかったんだぜ。あんな狭い道にチャリを止めるヤロウの気がしれねーよ。何考えてやがんだろ。」
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和臣が、ムッとしたようにレコーダーをにらんだ笑
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「いくら目立たない道でも、幅の狭いところはダメだ。」
「だって、しょうがねーよ。目撃者の目をくらますために、コンビニからオレの車でいったん逃げて、途中でおまえのシューラ―に乗り換えただろ。それまで駐車しておくのに、あの道のわきしかなかったんだからさ。へたなところに止めておいて、駐車違反で持ってかれちまったりしたら、元も子もないからな。」
「とにかく、もっと安全な道を考えるんだ。今度やるのは、1日の金曜日だ。それまでに車が直ってくるからな。」
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和典が、教室の壁に貼ってるテスト日程表をチラッと見た。
1日が金曜日になってるのは、5月だけだ。
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「時間は、たっぷりある。しっかり調べろ。この程度のあそびで警察にあげられちまったら、たまんねーよ。」
「わかった。じゃあな。」
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そこで会話は途切れて、あとは雑音が続いて、貴和がスイッチを切った。
わたしはゾクゾクした。
でも、それは恐さからではなくて、楽しみからきてるものだった。
だってわたしたちは、自転車泥棒であり、そしてなんといってもコンビニ強盗である犯人たちの、次の襲撃計画を聞いたのだ。
まだ誰も知らない。
警察でさえわからない、これからの大事件でわたしたちだけが知っているのだ。
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紫 - 最高!!貴女もうプロです!頑張ってくださいね (2020年9月5日 20時) (レス) id: b8bed17887 (このIDを非表示/違反報告)
真穂(プロフ) - 彩さん» ありがとうございました!次の作品ができたらまた来てください(о´∀`о) (2017年10月15日 21時) (レス) id: df25a52e6d (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - とても面白かったです!KZの他の作品Ver.も見てみたいです!! (2017年10月14日 19時) (レス) id: a14dd51e33 (このIDを非表示/違反報告)
真穂(プロフ) - さやさん» ありがとうございます!元気になりました(・v・)更新頑張りまっす (2017年8月30日 11時) (レス) id: 9b7d9926ac (このIDを非表示/違反報告)
さや - すっごく面白かったです! 更新頑張って下さい! (2017年8月29日 10時) (レス) id: bee0768345 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/
作成日時:2016年11月10日 11時