A Side ページ2
小塚クンが言うと、若武が立ちあがって腕を組んだ。
「よし、聞こう。」
黒木クンも身を起こし、そばの立ち木に体をもたせかけた。
「結論から言えよ。そのほうが早い。」
私も、緊張して耳をそばだてた。
「オレたちの考えでは。」
(P194)
そこまで言って小塚クンは、私たちの気迫に押されたらしく、真実ちゃんをふり返った。
「真実、言ってよ。オレ、自分の得意なところの説明なら大丈夫だけれど、全体は、うまく言えないや。」
それを受けて真実ちゃんが、私たちの視線をハッシと受けとめ、口をひらいた。
「わたしたちの考えでは、この自転車を盗んだ犯人は、新田町に住んでいる緑色の外車をもった人間で、盗んだ日にはものすごくあせってたヤツ。
そしてその外車は、今、壊れている。」
私も若武も黒木クンも、一瞬、ぼうぜんとして、アングリと口をあけたままなにも言えなかった。
だってそんなこと......どうしてわかるのっ!?
「犯人の免許証かなにかが、自転車の中に入ってたのか。」
ようやく正気を取りもどして若武が言うと、上杉クンが、メガネを押し上げながら首を横にふった。
「いや、見てのとおりだ。そんなもの、ありゃしない。」
「じゃ、どうしてわかる?」
黒木クンの言葉に、上杉クンは、自信たっぷりで笑った。
(P195)
「この自転車が、教えてくれた。」
私は目を見開いて、ゆがんだ自転車を見た。
自転車が、教えた!?
(P196)
56人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫 - 最高!!貴女もうプロです!頑張ってくださいね (2020年9月5日 20時) (レス) id: b8bed17887 (このIDを非表示/違反報告)
真穂(プロフ) - 彩さん» ありがとうございました!次の作品ができたらまた来てください(о´∀`о) (2017年10月15日 21時) (レス) id: df25a52e6d (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - とても面白かったです!KZの他の作品Ver.も見てみたいです!! (2017年10月14日 19時) (レス) id: a14dd51e33 (このIDを非表示/違反報告)
真穂(プロフ) - さやさん» ありがとうございます!元気になりました(・v・)更新頑張りまっす (2017年8月30日 11時) (レス) id: 9b7d9926ac (このIDを非表示/違反報告)
さや - すっごく面白かったです! 更新頑張って下さい! (2017年8月29日 10時) (レス) id: bee0768345 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/
作成日時:2016年11月10日 11時