消えた自転車は知っている＊2＊

私の出番！？・アーヤSide ページ49

そんなふたりが、とてもたのもしく思えて、私は息をのんで、その様子を見守った。


心の底で、私の出番もあるといいなと思いながら。



今に上杉クンか小塚クンが私を呼んでくれ、ふたりの間に入れてくれて、

「立花、おまえ、これをどう思う？」

なんて聞いてくれるといい。


そうしたら、私は、もう全力で考えて、そしてきっとすばらしい答えを出せるようにがんばるのにな。
(Ｐ193-194)


でも、私の得意なのは国語だけだから、こういう場面では、ちょっと使い道がないような気もした。


犯人が、自転車の中にむずかしい漢字でメッセージを残しておいてくれているとか、

あるいは暗号が書いてあるとか、そんなことでもなかったら、国語の出番って、


なさそう......。




すると、上杉クンが言った。



「おい、来いよ。」


来た！


私の出番だ！


そう思ってふたりのところへ行こうとすると、



「真実。」


ガクッ。

私ではなく、真実ちゃんが呼ばれた。



「ヘイホー。」


真実ちゃんは、そう言ってふたりの間に入って話しはじめた。



「オレたちは...で...だと思うんだ。」


「真実はどう思う？」


「あー、それで...なって...になったんじゃない？」


「あー、それだ！」


「さすが、真実。」



やっぱり女子で呼ばれるなら、ダントツ真実だとは思ってたんだけれど...。


真実ちゃんの方が、天才で男子たちとも私より前から知り合いだし。



でも......。



「よし、じゃいちおう、そのセンでいってみようぜ。」


「オッケー。」


やがて３人は、話をまとめ立ちあがり、私たちのほうをふり返った。




「オレたちの考えを発表する。」

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