10☆思いがけない発見・天才マネージャーSide ページ38
(真実Side)
あ、足音がする。
貴和と立花かな。
ドアがあくと、まっ先に和臣が言った。
「どうだった?」
これで、全員そろった。
「ダメ。」
貴和が、まいったといったように首を横にふると、和臣は、くやしそうに鼻にシワをよせた。
「ちっきしょう。」
和彦が、いすの背にかけた足をグラグラとゆらして言った。
「オレたちもさ、てんでダメ。」
あ、立花ががっくりしてる。
(P166)
「早退者は、なし。欠席した先輩はいたんだけどさ、脚折って入院したばかりだって。先生にも聞いてみたんだけれど、秀明の先生が違反者の自転車を取りあげたって話は耳に入ってないって。もちろん、そういう発表もない。」
みんなが、いっせいにため息をついた。
「となると、いよいよ単なる乗り逃げってことになって、捜査は暗礁に乗りあげるな。
真実、何かわかったか。」
わたしは答えた。
「さっぱり。」
和臣が、いまいましそうに言った。
「乗り逃げじゃ、通り魔と同じだ。犯人が特定できない。いるかどうかもわからない目撃者を見つけること以外に、手の打ちようもないってわけだ。」
投げだすような声でいう和臣。
「...手の打ちようがない第3のセンを、わたしにまかせたのね。」
一応つっこんだわたしの声に、和典が慎重な声を重ねた。
「まてよ。
乗り逃げってことは、通りかかってフラッとその気になったってことだろ。
だけど、その程度でチェーンまで引きちぎるかな。
通りすがりにフラッとその気になる程度のヤツは、ちょっと引っぱってみてダメなら、それであきらめちまうような気がするけどな。」
立花が、うなずいた。
「それに、あれは絶対、人間の力じゃ切れないチェーンだって、兄が言ってた。」
男子たちは、一瞬立花のほうを見、それからそろってうなずき合った。
(P167)
「立花祐樹の言うことなら、信じる気になるよな。」
「ん!」
立花は、ふんっ!って感じよw
「でも、それじゃ犯人が全然わからなくなるよ。」
和彦がボヤいた。
「通りすがりの人間がチェーンを切る準備をしているはずはないしさ。
となると、第1のセンも、第2も第3も、第4もぜ〜んぶ、つぶれるんだ。」
「じゃ、やっぱり。」
和臣が、興奮した声で叫んだ。
「第5のセンだ。あのチャリの中には、宝石か設計図のマイクロフィルムが隠されてて、それをねらったヤツが計画的なトリックによってチェーンを切り、持ちさったんだ。」
貴和が、片手で両目をおおって言った。
「小塚、こいつに早くロアルド・ダールを貸してやれよ。」
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真穂(前よりさらに低in)(プロフ) - 恵菜さん» ありがと〜!!今夜も更新しまーす! (2016年8月23日 19時) (レス) id: d9b3432565 (このIDを非表示/違反報告)
恵菜 - ↓ごめんなさい!間違えました。恵菜です。 (2016年8月23日 19時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)
Mio - おめでとうございます!応援してます! (2016年8月23日 19時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)
真穂(前よりさらに低in)(プロフ) - 恵菜さん» ありがとう!! (2016年8月14日 23時) (レス) id: d9b3432565 (このIDを非表示/違反報告)
恵菜 - よかったですね!更新頑張ってください! (2016年8月14日 23時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/
作成日時:2016年5月3日 12時