田畑正史・アーヤSide ページ36
黒木クンが田畑正史と約束したのは、駅から少し離れた児童遊園だった。
(P162)
かたつむり形のスベリ台や動物のブランコであそぶ子どもたちのわきにカラフルに塗りわけられたかわいいベンチがあり、そこにメガネをかけた男の子がすわっていた。
前髪が、ずいぶん長くてメガネにかぶさり、ほおはやせてとがっている。
細い体にジャケットをはおって、すその広がったジーンズをはき、肩からかけたショルダーバッグを体のわきに置いていた。
「やあ、おまたせ。君、田畑正史だろ。」
黒木クンが近よって言うと、男の子は、すわったままジロッとこっちを見上げた。
「あの話、本当?『プリキュア』の絵コンテくれるって。」
「もちろん。」
なめらかに言って黒木クンは、田畑正史の横に腰をおろしながらブルゾンのジッパーをジャッと開き、内ポケットから茶色の封筒を出した。
「君のだ。どうぞ。」
田畑正史は、すばやくそれをつかんで、封を切り、中身を出した。
それは、女の子たちの絵だった。
顔を上向かせた女の子が、少しほおを染めて、目をつぶっている。
(P163)
「すっげ......。」
ため息のようにつぶやいて、田畑正史はそれに見入った。
「こんなにめずらしいシーンって、きっと誰も持ってないよ......。」
「よろこんでもらえてうれしいな。」
黒木クンは、体を田畑正史によせ、その耳に静かにささやいた。
39人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真穂(前よりさらに低in)(プロフ) - 恵菜さん» ありがと〜!!今夜も更新しまーす! (2016年8月23日 19時) (レス) id: d9b3432565 (このIDを非表示/違反報告)
恵菜 - ↓ごめんなさい!間違えました。恵菜です。 (2016年8月23日 19時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)
Mio - おめでとうございます!応援してます! (2016年8月23日 19時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)
真穂(前よりさらに低in)(プロフ) - 恵菜さん» ありがとう!! (2016年8月14日 23時) (レス) id: d9b3432565 (このIDを非表示/違反報告)
恵菜 - よかったですね!更新頑張ってください! (2016年8月14日 23時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/
作成日時:2016年5月3日 12時