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夢に見た恋人・アーヤSide ページ21

私は、黒木クンといっしょに秀明を出て、夜の街を歩き、家まで帰った。


黒木クンは、ほとんどしゃべらず、私たちは、ただ並んで歩いただけだった。


でも私は、自分のとなりに自分より背の高い黒木クンの姿があるだけで、どんなおじさんたちとすれちがったときも、とても落ち着いた気分でいられた。


安心するっていうのかな。
(P130)


それまでずっと、私は夢見ていた。


すごく頼れて、カッコよくて、頭もよくて、自信家で、すてきな恋人に守ってほしいって。


そうして黒木クンといっしょに歩いていると、その恋人の上にしだいに黒木クンの姿が重なっていくような気がした。


それは、どんどん強くなっていって、家に帰り着くころまでには、夢の恋人はすっかり、黒木クンになってしまっていた。


私がそれに気づいたのは、家の門の前で、黒木クンがちょっと手を上げ、


「じゃ。」


そう言っただけで、そっけなく帰りかけたときだった。


その態度がとてもものたりなく思えて、私は不満だったのだ。


なぜ、もっと言わないんだろう。


「今日は、とっても楽しかったよ。」


とか、


「おやすみ、いい夢を。」


とか。
(P132)


そう考えて私ははっと、自分が現実と夢をごっちゃにしていることに気づいた。


いけない!


もうかなりむこうに行ってしまった黒木クンの背中に、私は、あわてて言った。


「どうもありがと。」


黒木クンがふり返り、あの大人っぽいほほえみを浮かべた。


「おやすみ。」


夜の闇の中で、白い笑顔が花のように見えた。


ああ、黒木クンは、きれいだな。


そう思いながら私は、玄関のチャイムを押した。


「はい?」


ドアホンからママの声がひびく。


「私。」


そう言うと、まもなくドアがあいて、ママのしかめっツラが現れた。


「遅いじゃないの!心配してたのよ。秀明の近くで強盗があったんだから。」


私は、びっくりした。
(P133)


強盗!

強盗!?・アーヤSide→←大人な黒木クン・アーヤSide



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真穂(前よりさらに低in)(プロフ) - 恵菜さん» ありがと〜!!今夜も更新しまーす! (2016年8月23日 19時) (レス) id: d9b3432565 (このIDを非表示/違反報告)
恵菜 - ↓ごめんなさい!間違えました。恵菜です。 (2016年8月23日 19時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)
Mio - おめでとうございます!応援してます! (2016年8月23日 19時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)
真穂(前よりさらに低in)(プロフ) - 恵菜さん» ありがとう!! (2016年8月14日 23時) (レス) id: d9b3432565 (このIDを非表示/違反報告)
恵菜 - よかったですね!更新頑張ってください! (2016年8月14日 23時) (レス) id: 06036da36b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/  
作成日時:2016年5月3日 12時

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