病を治すはずなのに【イゾウ】 (ページ9)

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友よページ9

ティベイは意地でもAに会わせてくれないイゾウに不信感を覚えていた。甲板に出るとマルコが座って何かの作業をしていた。

「マルコ、Aなんだけどさ」

「なんかあったか？」

普段なら手を止めずに聞くであろう話を、マルコはAの名前が出た瞬間体をティベイに向けて聞き始めた。

「今病気してるってイゾウが言ってんだけど、大丈夫そうなのか？」

「はぁ？！あの野郎医者にも相談せず、Aを一人閉じ込めてんのかよい！！」

マルコとナースは常に情報は共有している。どちらにもAが最近病気を患った記録はない。勢いよく立ったマルコに、ティベイは眉間の皺を深くして話を続けた。

「やっぱり、か。なんかイゾウの様子がおかしくて聞きに来たんだ。別にあの頑丈な野郎がどうなろうと大丈夫だけど、私の友だちが関わってくるなら話は別だよ」

マルコは再度座って最近のイゾウとAの様子を語り始めた。
イゾウが熱を出してからおかしくなったこと、Aと会わなくなったこと、ティベイは深刻な面持ちで聞いていた。

「俺らと居る時のイゾウは別に変わったことはないんだがねい。普通に馬鹿騒ぎして、酔った奴らを蹴り飛ばしてるよい」

「さっき部屋に行ってきたんだが…見事一目見ることもできずに追い払われたよ。睨まれたのなんていつぶりだろうね」

そんな話をしていると甲板にイゾウが出てきた。マルコは今がチャンスだと言わんばかりにティベイとアイコンタクトをとって甲板を後にした。

「サッチから昨日のケーキの残り渡されたんだ。食うか？」

「…うまい」

「盆の上から直接食う奴があるかよ？！渡してすらねえぞ！」

ティベイがイゾウと話している間、マルコは小走りでイゾウの部屋に向かった。

コンコン

『あ、マルコー！』

「あれ…？病気は？」

『どうしたどうした』

扉を開けてそのまま立ち話を始める二人。Aは久しぶりにマルコに会えて楽しそうだ。

「いやぁ…イゾウがAが病気にかかったって言ってたらしいんだがねい…」

『どこ情報よそれ。見ての通り元気元気！』

力こぶを作ろうと力むAを見てマルコは安心した。少し話そうと部屋に一歩入ったその時だった。