病を治すはずなのに【イゾウ】 (ページ7)

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秘密裏ページ7

イゾウ視点

まさかティベイと並走するとは思っていなかった。長くても三日程度だと思っていた。どうすればいいか本格的に考えないと。

洗濯を両手に抱えて部屋に戻る。足でドアを二回叩くとAが開けてくれた。

『誰かと思ってびっくりしたよ…』

「悪い、両手が塞がってて」

気を抜いたように笑ったAが愛しくて、洗濯物の山の前に座ったAを膝に乗せた。

『畳みづらいよ…』

「ん〜？」

手際よく畳むAの手を邪魔するようにして俺も洗濯物を畳む。しばらくするとAは畳むのを諦めて俺に寄りかかってきた。

『何もさせないつもり？』

「別に、ただ楽にしていて欲しいだけだ」

全て畳むとAが服をしまうために動こうとした。まだこのままでいたい、そういう思いからAを自分の腕に閉じ込めた。

『ぐえっ』

「なんつー声だよ」

Aが俺の手に自分の手を重ねてきた。俺と比べると小さくて温かい手。その指先も全部、他のやつに触らせてなるものか。
心臓が押し潰されそうなほどに好きで好きで、俺と家族以外の視界に入ろうものなら…俺は耐えられる自信がない。

そんなことを考えているとある気配が近づいてきた。ティベイっぽいな、こっちに来る用事なんてAに会う以外にあり得ない。
Aを膝から降ろしてドアノブに手をかけた。

コンコン

ノックが聞こえると同時に扉を開けてティベイを押して扉から離す。
ここで名乗られてしまったらティベイが大好きなAが飛び出していってしまう。二人は一緒になるとおてんばになることは重々承知している。いつもどこかしらに擦り傷をつけてくる。
今の俺はそんなこと許せない。

「なんか隠してるんじゃないか？」

ティベイは不審な目で見てきた。

「人間隠し事の一つや二つあるだろ。で、どうした？」

「Aの様子を見に来たんだ」

やっぱりな。どうしてみんな俺らの邪魔をするんだ。そんなにAを俺から奪いたいのか。

「部屋汚えからダメだ」

別に会わせてやってもいい、問題はその後だ。Aが俺の守れない所に行って、傷つくことが許せないんだ。だから引き下がってくれ。

「昨日は綺麗だったのに？」

俺はいい加減にしろという思いでティベイを睨んだ。