病を治すはずなのに【イゾウ】 (ページ5)

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再会？ページ5

Aは目覚めた。今は何時？自分はいつの間に寝た？
その疑問を解こうとカーテンの隙間から外を覗くが、だんだんと昇りゆく太陽を見ても分からなかった。

隣にはイゾウが眠っていた。カーテンを開けてしまえばイゾウの顔に光が当たって起きてしまうかもしれない。Aはカーテンを改めて閉めて、イゾウの布団に潜り込んだ。

「ん……おはよう…」

Aが入ってきたことでイゾウは結局起きてしまった。Aが何も言わずに抱きつくとイゾウも抱きしめ返して二人とも二度寝を始めた。

どれくらい経っただろうか。
次に起きたのはイゾウだった。二度寝の時はAの顔が目の前にあったのに、いつの間にかイゾウの腹に顔を埋めている。
イゾウは少し目を擦ってあくびをした。Aの頭を撫でながら腕から抜け出す。布団をかけ直してやってから動き出した。

昨日はイゾウは少し酔って何もせずに眠ってしまった。今のうちにAの服や歯ブラシ、朝食を用意しなければならない。

イゾウが動いている間、Aはゆっくりと起き上がった。

「おはよう、今飯持ってくるからな」

『ん〜…』

「はは、すごい顔だな。飯は起きる前に用意できなくて悪かった」

『ううん…』

イゾウは廊下を確認したら顔を洗えとAを押し出した。半目のAが洗面所から出てきて部屋に入ったのを見届けて、朝ごはんを取りに行く。

Aは一人部屋で着替えてぼーっと空を眺めていた。

「…どうした？」

『うーん……孤独を感じてた』

「俺が居るだろ、大丈夫だ」

イゾウが帰ってきたことにも気づかなかったAを、イゾウは心配そうな面持ちで見つめた。

『今日は…なんだか騒がしいね』

ご飯を口に運びながらAは言った。ちょうどティベイたちも起きて二日酔いに苦しみ悶えているところだった。
イゾウはそうだな、と答えて味噌汁を飲んだ。しじみは二日酔いによく効いた。

『なんか寂しいなぁ、なんて』

「俺もだ。空気が澄んでいるからかもしれないな」

イゾウは敢えて同感したふりをした。Aが「外に出て仲間と会ったら寂しくなくなる」と気づいてしまわないように。