友だちだろ ページ13
イゾウが出て行って少しするとティベイがやってきた。
『ティベイ!!』
「A!久しぶりだな!!」
Aはティベイに抱きついて全身で喜びを表した。ティベイはAの真っ赤になった目を見逃さず、離れようとするAを強く抱きしめた。
「その目、どうしたんだい?イゾウになんかされたんなら三回くらい凍らせとくけど」
『凍らせたら飾らせてね』
「怖いこと言わないでくれ!」
『顔好きなんよ…』
Aのせいで話は逸れて、そのまま楽しくお菓子を食べながら何時間も喋る。
「最近あんまみんなに会ってないらしいね、楽しく過ごせてんの?」
『ちょっと寂しいけどイゾウさんが居てくれるし、最近は…これにハマってて!起きてやり始めたらもう夜って生活してる…』
「怠惰だねえ」
『だねー』
ティベイがチョコを口に入れる。Aもチョコパイを食べて、少し動きを止めた。
『ゔっ』
「どうした?」
『お腹にお肉がついていく気がする』
「動いてんだろ?大丈夫だって今日くらい」
『最近ほんっとに動いてなくてさ…』
ティベイは紅茶を飲みながらAの話に耳を傾けた。
『ほんとなんにもしてないの。今までやってた見張りも雑用も全部イゾウさんに代わられちゃって、それじゃ私の存在意味なくない?』
「マジか、イゾウには言ったのか?」
『うん、でも「俺がやりたいんだ」とか「危ない」とかで全部却下』
「やっぱ凍らせとくか」
それとなく聞き出すと、Aが嫌がっているわけではないと気がついたティベイ。しかしほんの少し、前に会った時と違う気がした。
しばらくして、Aはお酒は控えていたが、ティベイが酔って泣き始めた。Aは苦笑いをしながら肩を貸してナースの部屋へ行こうとした。
「A、終わったのか?」
ドアを開けると、壁に背を預けてイゾウが立っていた。Aは頷くと言った。
『ナースさんたちの部屋に運んでくる』
「俺も行く」
『だめ、男子禁制だよ!前回私を迎えに侵入したこと、みんなまだ怒ってるんだから』
「…部屋には入らないからついてく」
ティベイを運んでそのままの流れで風呂に入るA。脱衣所に入ったのを見届けてからイゾウは部屋に戻って女子会の残骸を片した。
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作者名:はなやぎ | 作成日時:2023年10月18日 7時