この恋、期間限定につき。 (ページ18)

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あれは確か高校最後の夏休みを終えて、新学期が始まってすぐだったと思う。

YG「おい、そこのアバズレ。」

学校から家への帰り道、いつも通る地下道の壁にもたり掛かる男はあたしに向かってそう言った。
初対面の、しかも見るからにガラの悪そうな男にアバズレ呼ばわりされる筋合いはないし人違いの可能性もあるだろうとあたしは自然に通り過ぎようとした。

YG「シカトすんなよ。アン・Aっておまえだろ？」

確かにあたしの名前はアン・Aだし、どうやら人違いではなく、アバズレという言葉はあたしに向けられた言葉だったらしい。

『そうですけど…。何か？』

YG「ちょっと付き合ってほしいんだけど。どうせ今日も男と遊ぶ以外の用事ねーだろ？」

『人聞き悪いこと言うのやめてくれませんか？そもそもあなた誰？』

YG「事実だろ。おまえすげー尻軽だってここらじゃ有名じゃん。」

『別に何と言われようが構いませんけど、名前も知らないような人にはついて行っちゃダメって昔言われませんでした？なので失礼します。』

YG「チッ、クソ頑固な女だな。うぜぇ。ミン・ユンギ。これで知り合いな。行くぞ。」

口も悪い、態度も悪い、恐らくそう歳の変わらない彼はあたしの手首を掴むと片手で器用にポケットから煙草を出して咥えると火を付けた。

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