―――ようこそ。【銀魂】

登場 ページ16

「高杉!」



銀時が高杉に気が付き、振り向いた。

二人とも向き合って構えた。

しばらくの間、にらみ合いが続く。



すると。




「銀時?」



この少し低めの声。何度も聞いた声。

銀時が振り返る。





「A…………!!!」



何でここに、そう訊こうとする前に赤い目のAが口を開いた。






「…銀時……高杉さん、殺すのか?」


「!!」


「俺のために?」




何も言わない。銀時は何も言えなかった。口が動かなかった。



「やめてくれよ。俺、そんな理由で銀時の手また汚れるの嫌だよ」





銀時にとってのその一言は銃で脳髄をゼロ距離で撃たれたような感覚だった。



自分が殺されれば目の前のAはいなくなる。


だから高杉は殺さなきゃいけない。




だが高杉を殺せるのか。


彼女は高杉を殺すという行為を拒んだ。


高杉を殺したこの手でAを愛せるのか。








「はは……は………あ…あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

success→←巻き戻し

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す