【wrwrd!】ゆーえんみー【男主】【短編集】

心が無い理由【kn】 ページ14

『心がない』

よくそう言われる。

別になくした訳やない
元はちゃんとあったんや。

じゃあ何でなくなったんか

Aにあげたんや。

俺の最愛の人、世界で一番愛しい人、愛してる人、

Aに欲しい、と言われた訳じゃない
ただ俺があげたかったんや、愛してるから

俺の心はAのためにあると思った
他の誰でもない、Aのため。
だからあげた。プレゼントした。

Aは最初こそ戸惑ってたが最後は笑って"ありがとう"と言ってくれた。

最初はそれでよかった。俺の自己満足。

メンバーになんて言われようと、何とも思わなかったしどうでもよかった。

ただ最近思うことがある

『Aの心が欲しい』

あげた当初は俺の自己満だったから別にAからも貰おうなんて思わなかった。

最近、最近になって欲しくなってしまったのだ

Aには心のある奴で居てほしい、
でも俺はお前の心が欲しいんや。

ぐる、ぐる、ぐる、ぐる、ぐる、

欲しい、でも、欲しい、だめ、欲しい欲しい欲しい

kn「…欲しい」

ぽつり、と欲を言葉で吐き出した

「シッマ、」

振り返るとAがいた

あの優しい笑顔、嗚呼、欲しい

「…どうしたん？」

心配そうに眉を下げる顔、可愛いなほんま

kn「…なあA」

俺の心はお前のもんでええよ
一生大事にしてくれや

そのかわり、

kn「お前の心寄越してや」


.

俺は心がない。だからお前の心で埋めよう。

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