【銀魂】月夜に忍は何想ふ。【河上万斉】 (ページ5)

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仲間4人。ページ5

A「えっ？」

河上「鬼兵隊が主を攫う理由がある。」

河上「1つは主が強い事だ。」

A「ｯ強くなんか……ない！」

直ぐにおかしな話だと思った。

強さでいうなら、新撰組の人や、蕎麦仲間(？)の桂小太郎などの人の方が断然強い。

私がなぎ倒していたのは、雑魚らだ。

その辺の武士と戦うなら、1対1で普通に頑張れば勝てるくらい。2対1で本気を出さねば勝てない。

A「その辺の武士より少し強いくらいで、強いと言うのですか……!?」

河上「主はそんな奴らより強いだけでは無い。また子達よりは強かった。」

A「何を知ったかぶって……!!」

河上「鬼兵隊は、今の主より、主の事をよく知っている。」

河上「あの日までの事は……。」

A「一体何のことを言っているんですか!?

私の何を知っているというのですか!!?

私が今までどんな思いで戦ったのかも、

どれだけ孤独だったのかも知らない癖に!!!!」

私が地面を殴り、泣き叫ぶと、河上さんは口を噤んだ。

河上「……もう1つの理由は……鬼兵隊に入り、皆の信用を得れば……教える。」

A「ｯ、そうすれば……孤独は消えるのですか……」

また涙がポロポロと零れ落ち、刀を握る力も弱まった。

すると、河上さんは私に近付き、刀の刃を握った手にそっと手を重ねる。

そして、刀をゆっくり抜き、三味線の中に直した。

河上「拙者に任せるでござるよ。もう、絶対に主を1人にはしない。」

優しい声色に、顔を上げる。

A「ｯ…ほんと……？」

河上「誠でござる。」

私の目からは、今まで溜まっていた涙が一気に溢れた。

初めて人を殺めた時に、

孤独を噛み締めた時に、

仲間が居ないことに気付かされた時に、

どう足掻いても出なかった涙が、

ポロポロと溢れた。