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私の口からはどちらの物か分からない唾液が垂れていた。




それを河上さんは舐めとって、私の首元に顔を埋めた。




河上「何故、このような真似を…したでござるか……




何故拙者の心を痛めつけるんでござるか……




退殿から聞かなかったんでござるか……?




拙者は鬼兵隊。新選組の主が踏み入れるようなものでは無い……ッ」




A「私っ、」




河上さんがどんどん泣きそうな声になっていく。




A「新選組、抜けたというか……死んだ事になりました。」




河上「……退殿か。」




A「はい。先輩は私の事、全て知っていました。」




河上「全て知った上で拙者を追わせたのか。」




そう言って悲しそうな顔をする。




え、もしかして河上さん……




A「え、と……河上さん……」




河上「なんでござるか?」




A「私の好きな人……誰だと思ってます?」




河上「退殿。」




やっぱり……




河上さんは勘違いしてるんだ。




……まぁして当然だけど。




A「……違います。」




私は俯いていた視線を上げ、河上さんと目を合わせる。




河上さんは目をそらしていたので、顔を両手で押さえ、




顔をこちらに向けてずいっと顔を寄せる。




河上「ッ」




A「私は……私が好きなのは……!!」




河上「ッ拙者は主が好きでござるっ!!」




A「へ……」




河上さんは先輩が好きなんじゃ……!




と言うと、




河上さんが私を目で捕らえる。




河上「確かに、拙者は退殿を好いておった。




しかし……退殿よりも主の事で頭がいっぱいになってしまったでござる……」




A「河上さん……」




河上「主も退殿も、どちらにせよ諦めなければいけぬ。




拙者はもう、ここに来ることは無いでござろう。」




そう言って私を下ろし、私に背を向けて歩き出す。




A「まって……」




私は、待って欲しくて声を出す。




でも、河上さんは待ってくれない。




A「待って!!」




河上さんの腕を掴み、動かない。




河上「離せ……」




A「離さない!!」




河上さんは私を無理やり引き剥がそうとする。




でも、私は離れない。




河上さんは頑なに離れない私を見て、頭を掻いた。




河上「……まだ拙者に様があるんでござるか?」

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設定タグ:河上万斉 , 銀魂 , ○○してみた   
作品ジャンル:恋愛
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万斉推し - 万斉様ァァァァ!!最高すぎて私死にます! (2022年2月13日 23時) (レス) @page1 id: 78f9a00831 (このIDを非表示/違反報告)
林檎の国の凡人(プロフ) - ぶどうさん» ごめんなさい、リクエストは受け付けておりません……読んでいただきありがとうございます! (2020年6月27日 2時) (レス) id: b12412348f (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - こんにちは!全部読ませていただきました!とても楽しかったです!もしリクエスト可能でしたらいいですか?? (2020年4月11日 10時) (レス) id: 3a519504ea (このIDを非表示/違反報告)
林檎の国の凡人(プロフ) - ポッピングさん» むむ!どのお話でしょうか!?ありがとうございます、励みになります! (2020年3月10日 1時) (レス) id: b12412348f (このIDを非表示/違反報告)
ポッピング(プロフ) - 新撰組ではなく真選組では?あっあとこの短編集大好きです!応援してます!!! (2020年3月10日 1時) (レス) id: 802431f708 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:林檎の国の凡人 | 作成日時:2019年2月25日 1時

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