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今思えば、当てつけのようなものだった。
周りのざわつく声なんて聞こえず、
ただただ走る。
少し探すとすぐに見つけた。
友達と楽しそうに話している、君を。
｢中島くん…！｣
君を、見つけた。
｢えっ…え！？ Aちゃん！？｣
｢中島、く…｣
思いっきり走ったせいか、
やけに息が上手くできない。
苦しい。
｢あれ？！ Aちゃん借り物出てたよね？｣
｢…っ、あの…っ｣
｢え、何？ 何 借りるの？ 俺持ってんの？｣
ズキズキと頭が痛む。身体に力が入らない。
何だろう、これ。…クラクラする。
｢…っ………｣
｢────え、Aちゃん…！？｣
目の前が、真っ暗になった。
中島くんの声が遠くで聞こえる。
どこからか、女子の悲鳴のような叫びも聞こえた。
.
｢………え…｣
｢あ、起きた｣
目を開けると、そこには
真っ白な天井が広がっていた。
消毒液の独特な匂いがツンとする。
｢…！？ 私…っ｣
｢おい、急に動くなって｣
ガバッと起き上がると、傍には
椅子に座った…廉がいた。
どうやらここは保健室で、
私はベッドで眠っていたらしい。
｢え、なんで廉、あれ、私 どうなって…｣
｢落ち着けって。お前借り物の途中で倒れたの。
先生によると栄養不足と寝不足やってさ｣
｢え…｣
｢そんなに最近、寝れへんかったん？｣
心当たりはある。ありすぎる。
最近 あんまり食欲がないし、
ほとんど眠れてない。
中島くんのことを、考えすぎて。
｢うん、まぁ…｣
｢…はぁ、ほんまにお前らは…｣
｢え？｣
｢お前、倒れてからここまで
どうやって来たと思う？｣
｢へ…｣
そういえば、記憶がない。
｢廉が運んでくれたの？｣
｢違う。健人や｣
｢……え｣
｢倒れた瞬間 姫抱っこで運んでさ。
周りの女子かっこよすぎて死んでたで｣
｢え…え！？ 嘘、ほんとに！？｣
｢ほんまやし。お前 一気に有名人やな〜、
また女子に恨まれんで｣
え、え、何それ。
中島くんが？ お姫様抱っこ？
………なんで。なんで私、寝てたんだ…。
意識を失っていた自分を激しく恨んでいると、
廉が私をじっと見てきた。
｢な、なに？｣
｢お前、そんなに健人が好きなん？｣
｢………｣
廉にはずっと前からバレてたんだろうな。
だって、私より私のこと知ってるらしいしね。
｢……うん｣
もう抗えない。
どうしても、どうしても
ただ、好きなんだ。
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ゆ(プロフ) - ☆さん» わざわざご指摘ありがとうございます＾＾ 編集しておきました！ (2019年8月18日 18時) (
レス) id: 7567a4acfb (このIDを非表示/違反報告)
☆ - パート1→2ヶ所、パート2→2ヶ所間違い指摘したので直してもらえたら嬉しいです (2019年6月30日 13時) (レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
黒髪の白雪姫 - ゆ な のさん» 謝らなくて大丈夫ですよ(* ´ ▽ ` *)ゆなのさんの支えに慣れて光栄です！(〃^ー^〃) (2018年3月13日 10時) (レス) id: efdbcf38a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ な の(プロフ) - 黒髪の白雪姫さん» お待たせしてすいません( / _ ; ) いつもありがとうございます！とっても支えになります(;_;) これからもよろしくお願いします！ (2018年3月4日 19時) (レス) id: 7567a4acfb (このIDを非表示/違反報告)
ゆ な の(プロフ) - 白兎さん» ありがとうございます(;_;) そこまで褒めいただいて光栄です(>_<) こちらこそありがとうございました！！これからも是非よろしくお願いします。 (2018年3月4日 19時) (レス) id: 7567a4acfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆ な の | 作成日時：2017年12月20日 22時
