イレギュラーダイスの紅一点を好きになってください！

意地悪 ページ35

「はい、じゃあ適当に何枚か取りますので好きに話しててください〜！」


パシャ、パシャと響く音を聞きながらないくんに話しかける。


『まさか、引き受けるとは思わなかったよ。良かったの？』


な「まぁ、顔映さなくても雰囲気だけでも充分って言って貰えたからね〜。それに、こんな機会二度とないだろうし思い出的な？笑 Aこそ大丈夫」


『私は、大丈夫だよ。…でもさ、私達ってカップルに見えるんだね。』


な「そりゃあ、俺まだ若いもん。カップルに見られてもおかしくないでしょ〜」




それもそうか。と思いながらないくんと適当な会話を続ける。

しばらく話していると、考え込んだ表情をして周りをキョロキョロする。



『ないくん、どーしたの？』


な「う〜ん、…あ。A、はい。あーん」


『…え！！』



ないくんがあーんと言い差し出して来たのはカメラマンさんが
お好きに食べてくださいと言ったクッキーだった。
あ、あーんって…しちゃうの！？
恥ずかしかったが目の前に迫るクッキーに口を開けて食べる。



『っ〜///……ん！このクッキーすごい美味しい！ないくんも食べてみて？』


な「へ〜、じゃあちょうだい！」



…ん？ちょうだいって目の前にあるじゃん？………まさか。

まさかと思ったのもつかの間、ないくんは分かってるでしょ？と
言うかのように、自分の顔が写ってないことをいい事にニヤニヤしてる。

意地悪と思い、クッキーを手に取りないくんの口に近づける。

が、一方に口を開けない。なぜ…！？

ないくんをじっと見つめると、やはり付き合いが長いだけ何が
したいのかが、わかってしまった。




『は、はい。………あ、…あ〜ん？』


な「あ、……んん〜！上手いな、このクッキー！」


『へ…ｯ///』



絶対、わざとだ。私の指先パクってしてきた…。
案の定私の表情を見て、顔真っ赤〜！とケラケラ笑っている。




「ははっ、楽しそうですね。とてもいい写真が撮れてますよ！」






その、とてもいい写真が真っ赤な顔じゃないことを祈ってます…





な「あ、飲み物も飲む？…関節キスだけど♡」


『なっ…！い、入りません！！』




くっそ〜、余裕ありげのないくんむかつく〜!!!
(内心ドキドキしていることは、悔しいから言いたくない！！)

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