ゼラニウム second tk×in (ページ20)

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２限目の数学が始まり、久しぶりの授業になる俺は、必死に内容を理解しようとノートにペンを走らせる

うわ、この単元苦手なんだよなぁ

「光」

前に座る光に小さな声で呼び掛けてみた

「光？」

いつもよりなんだか丸い背中にいくら問いかけても反応してくれない

肩を叩きつつ、呼び掛けてみる

「ねぇ、」

光「なに」

「、、ごめん、なんでもない」

とっさにでた嘘

光ってそんなに声色低くないよね？

少しだけ頭を動かし、目線を合わせないまま返された言葉があまりにも冷たくて、怖かった

不機嫌なの？

どうして？

いつもは優しく接してくれる光の始めてみる姿に俺は戸惑っていた

高木の方を見て助けを求めるけれどそっぽを向いて寝ているため、気づいてくれない

大ちゃんも寝てる、

何で光は俺のことを避けているのだろう

考えても分からないけれど、光の不穏な態度はさっきもそうだった

薮先生と廊下で話していたとき、俺を睨むような視線を感じて、視線を感じる方向に振り向いた先にいたのは光だった

病院で話しかけたとき、だまりこんだのも光

せっかく受けられるようになった授業も、光の態度に混乱して全く頭に入ってこない

トントン

最近の光の態度を、気のせいだと思いたくてもう一度だけ前の光の肩を叩いてみても

....ちっ

もう話してもくれずついには舌打ちだ

気づかないうちに光を傷つけていたのだろうか

さっきまで必死に授業を受けていたのに、もう先生の声なんて耳に入ってこない

有「いのちゃん？授業終わったよ？」

「だいちゃん....！」

呼び掛けられて顔をあげると、心配そうな表情の大ちゃんがいて、高木が俺の背中を撫でてくれる

いつの間にか授業は終わっていて、みんな次の授業に向けて動き始めていて、前の席に光はいなかった