【2j3j】それもまた愛ならば【短編集】

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母親に見せて、色々と言われてもなおそのままになっていて、強いて言えば昨日とは違い、保護者欄に国公立があーだこーだと書かれた進路希望調査票を担任に見せると、うーんと悩んだ担任が口を開いた。

「Aなら××大学くらい狙えそうだけどなぁ。うちの学校推薦枠あるから、推薦で狙うなんてどうだ？」

「××大学…先生ちょっと野心家過ぎやしません？」

そうかぁ？と笑う担任にじとっとした視線を送るとうっと詰まってから、咳払いをして真面目な顔をする。

東京の超有名私立の推薦枠とか、実はうちの学校すごかったりする？

担任曰く、推薦でそこに行けばお母さんも満足するだろうし、お金の問題は奨学金だとかで解決できるし…とのこと。

「それにAは甲斐田とも仲良いだろ？アイツもそこ志望だったはずだったから、いざとなれば心強い仲間もいるし、な。」

「へー、甲斐田くん××大学志望なんですね。」

まぁ薄々思っていたが、〇〇大学が気になるというというのは社交辞令だろう。

逆に本気で言っても担任…というか校長とかに止められるだろうしなぁ。

にしても、××大学か。

確かに頼りになる仲間がいるのは大切だし、彼ならきっとライバルだとか言わずに進んで情報を共有してくれるんだろうな。

その後もしばらく担任からの××大学のプレゼンが進み、そのなかでなんとなく分かったことだが、どうやら甲斐田くんが××大学で友達ができないことを危惧して、少し腰が引け気味なので、推薦枠を使って、甲斐田くんと仲が良い人を入れよう、という話になっているらしい。

なるほど、確かに私は甲斐田くんとわりと話すし、評定や模試の結果も悪くはない。

先生達的にちょうど良いということか。

だったら目指すだけ目指して、いざとなって無理そうだったら〇〇大学に変更したらいいし。

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