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#9 ページ10

「Aー、晩飯何ですかィ」



ご飯の用意をしていると沖田隊長が食堂にやって来た。どうやら彼はもうお腹がすいたらしい。



「今日はサンマと豚汁と肉じゃがです。今のサンマは脂がのってて美味しいですよ」


「そうかィ」



そう言うと沖田隊長は私の真後ろに立った。じっとこちらを見つめている。ポーカーフェイスだから何を考えているのかは分かんない。



「なァA…テメーは土方さんと付き合ってて楽しいですかィ」


人参を切る手がピタリと止まる。この人は何故そんな事を聞いてくるのか。全く意図が読めない。


「…はい。楽しいですよ」


「…俺だったらアンタの事大切にしてやれる。土方なんかと違って」



振り返ると真剣な表情を沖田隊長がいた。見上げるといつもサディスティックな表情(かお)を浮かべている沖田隊長がどことなく優しげな笑みを浮かべていた。



手が震え、ガシャンと包丁が落ちた。拾おうとすると先端部分に指が刺さり血がにじみ出た。



「いっ…」


すぐさま水で洗おうと沖田隊長に腕を掴まれた。じっと見つめ私の指をパクッと口に咥えた。


「……沖田隊長…何…して…」


「Aの血は甘ェ。俺好みでさァ」


急に体全体が恐怖に陥った。この人が一体何を考えているのかが想像つかない。私の血を舐めきると続けた。



「…俺にしやせんか。俺がアイツ(土方)なんかより幸せにしてやりやすから」



続きを言おうとした途端、ピシリと私の体が固まった。



「……」



無言で一部始終を見ていた副長の姿がそこにあった。

#10→←#8【隠しきれなかった想い】↓



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茉央 - 更新楽しみにしています。 (2018年12月28日 13時) (レス) id: 13472c8e3b (このIDを非表示/違反報告)
Shiro兎(プロフ) - 餅兎さん» ありがとうございます!執筆頑張りますね! (2018年11月21日 20時) (レス) id: 00438dbadd (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - Shiro兎さん» 第一次提督争奪戦勃発から争 奪 戦 の ハ ジ マ リ まで読ませて頂いてるのでwドロドロ楽しみにして待ってます! (2018年11月21日 20時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
Shiro兎(プロフ) - 餅兎さん» コメントありがとうございます!うわあああ…逆ハーシリーズも読んでくださってるとは…感謝の極みです。こっから更にドロドロすると思うので何卒よろしくお願いします! (2018年11月21日 18時) (レス) id: 00438dbadd (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - ウワァァァ修羅場…ドロドロ… でもそんな修羅場具合が大好きです(真顔) というか、逆ハーシリーズとかも読んでて思ったんですけど、Shiro兎さんの小説の書き方めっちゃ好きです。語彙力とか展開とか。これからも頑張ってください! (2018年11月21日 17時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Shiro兎 | 作成日時:2018年10月25日 18時

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