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#35 ページ36

「と、とにかく」


私の腰に巻きついていた副長の腕を振り払い立ち上がった。


「今はその…宿を探しませんか」


「…そうだな」


せっかく楽しんでいたトコを打ち切られて拗ねてしまった。この調子だと夜になったらとんでもない事に(ベットの上で)なりそうだが対策法は後で考えよう。


「それにしてもなんにもないですね」


「なんだ此処…田んぼしかねェじゃねェか」


「携帯も圏外になってますし…」


「…腹減ったな」


「同感です」


今の時刻はヒトフタマルマル──ちょうど12時だ。お昼時だし嫌でもお腹がすいてくる。キョロキョロと辺りを見渡すと青と白のストライプ柄で統一された看板の某コンビニが見えた。


「…あ、向こうにコンビニがありますよ」


「行くか」


強引に手を引かれ恋人つなぎをされる。私はどうやら自分を引っ張ってくれる人を好きになる性質なのかもしれない。









*****









「らっしゃい」


店員さんは50代半ばの人っぽかった。私は思い切って聞いてみる事にした。



「あの…」


「ん?どうしたんですか?」


「親父。此処は何処か知らねェか」


「……もしかしてアンタら、電車で寝過ごしたのかい?」


ドンピシャで当てられ思わず顔を合わせる副長と私。それが面白いのか店員さんはクスクスと笑い始めた。


「たまにあるんだよ。旅行に来たはいいが興奮し過ぎて寝ちまって此処に来るっていう人達がな」


「こんなド田舎にな…」と寂しそうに言う店員さん。自動ドアの向こう側に広がる田んぼを見つめながら目を細めた。


「──…どこかで見た事あるかと思ったら真選組の副長さんじゃないかい。で、そちらのお嬢さんは?」


「俺の彼女だ」


彼女宣言され俯いてしまう。それにニコニコする店員さん。身体全体が熱くてしょうがない。


「あの、聞きたい事があるんですが…その…ここら辺で宿はありませんか?」


「あるよ。近くにラブホがな」


「ラブホ!?」


大声で叫んでしまったが店内は私と副長と店員さんの3人しかいない。それが可笑しいのか店員さんはまたクスクス笑い始めた。

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茉央 - 更新楽しみにしています。 (2018年12月28日 13時) (レス) id: 13472c8e3b (このIDを非表示/違反報告)
Shiro兎(プロフ) - 餅兎さん» ありがとうございます!執筆頑張りますね! (2018年11月21日 20時) (レス) id: 00438dbadd (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - Shiro兎さん» 第一次提督争奪戦勃発から争 奪 戦 の ハ ジ マ リ まで読ませて頂いてるのでwドロドロ楽しみにして待ってます! (2018年11月21日 20時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
Shiro兎(プロフ) - 餅兎さん» コメントありがとうございます!うわあああ…逆ハーシリーズも読んでくださってるとは…感謝の極みです。こっから更にドロドロすると思うので何卒よろしくお願いします! (2018年11月21日 18時) (レス) id: 00438dbadd (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - ウワァァァ修羅場…ドロドロ… でもそんな修羅場具合が大好きです(真顔) というか、逆ハーシリーズとかも読んでて思ったんですけど、Shiro兎さんの小説の書き方めっちゃ好きです。語彙力とか展開とか。これからも頑張ってください! (2018年11月21日 17時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Shiro兎 | 作成日時:2018年10月25日 18時

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