命令と感謝の気持ち。 ページ3
ー
そして地獄の買い出しは何とか終わり。
あと少しで全ての料理が完成という時に。
「…うめぇ」
『え、』
「……」
『あ！つまみ食い！？』
爆豪の目の前に置いてある揚げたての唐揚げを口に入れてモグモグと食べる爆豪。
「わりぃかよ」
『…………いや、爆豪なら許す』
「はっ」
な、何よ鼻の笑いは。
今日一日付き合ってもらったし…それくらい、
あ……今のうちに言っておこうかな。
多分みんなが帰って来たらしばらくは言えないと思うから。
『…買い物、付き合ってくれてありがとう、』
キッチンに食べ物の匂いが充満する中、私は呟くようにそう言う。
何だか少し照れ臭いので手は止めずに。
『それと、私を助けてくれて。そばにいてくれて。………私を救い出してくれて、ありがとう、』
サラダの飾り付けを終え、軽く手を洗う。
これでも爆豪には1番感謝してるんだ。
伝え切れないくらいに。
『爆豪は、もう。私のヒーローだね！』
真面目にそう思っているけれど。
恥ずかしいので少しだけ、ふざけたように。
そう言ってみれば。
「…こっち向けや」
『ちょっ、』
まだ濡れている手なんかお構い無しに、爆豪は私の手を軽く引っ張って彼の方へと私を向かせる。
「感謝してんだよな？」
『え…うん？してるけど、』
「それなら一つ、言う事聞け」
『え！？待って爆豪の命令って絶対無理難題っ…』
「恩人の言う事一つ聞けねぇって言うんか？あ？」
『いえいえいえ！聞きます！』
ほんと怖いこの人…
すぐ怒鳴るんだから…
まあでも、何だかんだ優しい爆豪の事だ。
そんな難しい命令なんて、
「俺にキスしろ」
『……はい？』
ちょっと待って？
優しい優しい爆豪に限ってそんな難しい…
「キスしろっつったんだよ」
『ちょっと待ってよ爆豪？』
きゅ、急に！？
今そんな雰囲気ありました！？
しかも何！？キス！？
「あ？何で後ろ下がってんだよ」
『爆豪が近寄ってくるから…！』
「あたりめーだろうが、近付かなきゃ出来ねぇだろ」
いやそれはそうだけども！！
そもそも何でキス！？
ここってそういう風習あったっけ！？
…いやいやいや！ないよな！？
逃げる私にそれでも迫ってくる爆豪は私よりもずっと背が高くて圧が…凄い。
焦る私は手を顔の前で左右に振って、
爆豪から逃げる。
ー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麗葉 - 途中まで同士！って思ってたのに途中から爆豪くんといちゃつきやがって！もっとやって下さい← (6月16日 1時) (
レス) @page50 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 檸檬さん» 一気読み…！！そう言っていただけですごく嬉しいです（ ; ; ）！読んでくださりこちらこそありがとうございました！！ (2021年11月14日 21時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - 今日読み始めて最後まで読みました〜！もうとてもとても最高でございました……ありがとうございます(尊) (2021年11月14日 19時) (レス) @page50 id: 790fd21cd2 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - ＠たまふさん» わーっっっ！！！嬉しすぎるお言葉です…！！きっかけだなんて！！ありがとうございます！！ (2021年2月1日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
＠たまふ - この小説、ヒロアカにハマったきっかけなんですよね… (2021年2月1日 15時) (レス) id: 89be39e03d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まあり
| 作成日時：2020年3月30日 17時
