私の安全地帯は爆豪の後ろ。2【爆豪勝己】 (ページ5)

今日:9 hit、昨日:57 hit、合計:566,342 hit

ーーページ5

ー

『爆豪って彼女いるの？』

「んだよ、急に」

…別に？

特に理由なんてないけど？

『ただ聞いただけ』

あーでも、この前緑谷くんが爆豪のそういう話は聞いた事ないって言ってたっけ。

「あっそ」

『で、いるの？』

「はっ、気になんのかよ？」

『ならないけど？』

「チッ、」

何の舌打ちよ！？

理不尽！！

気になって欲しかったの！？何！？

爆豪は悪態をつくといつものようにソファに浅く腰掛け背もたれに頭をつけて天井を見上げる。

「いたらどーなんだよ」

『別にどうもしないけど…もしいたら、その爆豪にくっついてる私って相当悪女じゃない？最低じゃない？底辺だよね？』

「……」

『え！？何その無言！？怖！！いんの！？いたの！？爆豪に彼女！！』

「揺らすな」

何も答えない爆豪に詰め寄り、肩を軽く揺らす。

『え！？だって最低女じゃん！？殺されるレベルだよ！？』

普通に考えて最低最悪だ。

考えてみればいつでも爆豪の後ろにいるしくっついているし、服を掴んでいるし！？

暇な時なんか部屋に遊びに行ってるし！？

「……」

『……何か言えよばくごー』

「……」

『…………あぁ、私きっと命ないわ。長生き出来ないや。殺されるわ。きっと近いうちに殺人予告送り付けられるわ…』

何を言ってもいくら揺らしても答えてくれない爆豪に、もうダメだと体を震わせ体育座りする。

階段から押される？それとも撲殺？それとも毒？

え？全部、嫌だよ！？

また死ぬなんて嫌だ！！

膝を抱えていた手を移動させて今度はその手で頭を抱えた時。

「……アホかよ、」

そんな声がポツリと聞こえ、顔を上げれば…

『ばっ…！爆豪！！酷い！！わざと！？意地悪だ！！悪人面！！性悪男！！』

珍しく、爆豪が笑っていたのだ。

私を見て。

まるで悪戯っ子のように。

『いないんだな！？彼女！！いないんだな！？』

「…さァな？」

『っんのー！！じゃあもう爆豪の後ろいるのやめる！！』

「…へーぇ？」

『なっ、何よその顔！やれるもんならやってみろみたいな顔！！』

「よく分かってんじゃねえか」

『っ！！もう分かった！！こんな奴に彼女なんか出来るわけないよ！！考えてみれば…いや考えなくてもそうだよね！！こんな、いかにも悪そうな顔してる奴に彼女なんか出来るはずが……ヒィッ…調子乗りましたすみません』

ー