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『…煉獄さん、』
煉獄さんがいる部屋の出入り口からそっと顔を出して覗く。
「……A、」
座れるほどに回復したのか、ベットに座って窓から射す日に照らされている。
明るい髪は反射し、どこか幻想的である煉獄さんは私を視界にいれると一瞬驚いたような顔をするが、
「やっと来てくれたのか！この状態じゃあ出歩けないからな！顔を見せてくれて嬉しいぞ！」
なんて。
また、眩しい笑顔。
きっと煉獄さんだって私が避けていた事くらい気付いているはずなのにそれを聞こうとはしない。
それどころか、「元気だったか！？」「まだこの通りで帰れないんだ！」「早くAのご飯が食べたいな！」と明るくて大きくてよく通る声でそんな事を言ってくれる。
『……っ、』
でも、ここで煉獄さんのそんな優しさに甘えちゃいけない。
言える時に言わないと…
怖がってなんかいられない。
言葉にしないまま、崩れてしまう方がよっぽど怖い。
「…A？どうした！元気がないようだが…」
『……お話が、あるんです』
私はこれでもかってくらいに着物をぎゅっと握って、震える声でそう伝えた。
ちゃんと、自分の気持ちを伝えるんだ。
今。
逃げないで。
すると煉獄さんは「うむ！それならこっちへ」と言ってベットの横にある椅子へ視線をやった。
『……はい、』
私は言われた通り、大人しくそこへ腰を下ろす。
だけど…
「……」
『……』
何から話そう。
ここに来るまでに考えていたはずなのに。
今の私の頭の中に言葉一つ浮かばない。
部屋は静かで、私の耳に届くのは微かな音のみ。それは外で、きっと鍛錬でもしているのだろう。そんな音。
煉獄さんは、急かす事なんてなく私の言葉を静かに待ってくれている。
…そういえば私、こんな風に面と向かって自分の気持ちなんて誰かに話した事あったっけ？
伝えようとした事なんて、あったっけ？
……いいや、ない。
言葉になんてした事も、しようとした事もなかった。
全部全部諦めて、飲み込んでいたから。
怒った事もなかったかもしれない。
……不思議だなぁ。
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まあり(プロフ) - まゆさん» まゆさん、最後まで読んでくださりありがとうございます！キュンキュンしていただけて嬉しいです！こちらこそ感謝です！！！ (2021年4月23日 19時) (
レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 完結おめでとうございます！１から拝見しててとても感動とキュンキュンと楽しさもあって....感動作をありがとうございます！ (2021年4月17日 1時) (レス) id: f2813c0044 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 明日香さん» また、すみません、ありがとうございます！ (2021年3月12日 21時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 43話の次が12話ですか？ (2021年3月12日 21時) (レス) id: 239fe8d3ac (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - まゆさん» さて、何が起きるんでしょう…？お楽しみに…！ (2021年3月10日 20時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあり
| 作成日時：2021年3月7日 13時
