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「久しぶりだな!こんな風にまた出掛けるのは!」
『はい!すっごい楽しみにしてたんです』
「そうか!俺もだ!」
隊服ではなく、着流しを着ている煉獄さんの隣を歩きながらニヤニヤする私。
だって煉獄さんとのお出かけだ。
たまに甘味処へ行ったりご飯を食べに行ったりだとかはあるけれど、今日は隣町までお出かけだ。
楽しみにしないわけがない。
それにしても、やっぱり隊服を着ていない煉獄さんはいつ見ても新鮮だ。
そしてかっこいい。
こんな人の隣を並んで歩けるだなんて…
やっぱり刺されたりするんじゃ…
「何をキョロキョロしている!」
『いえ、別に!』
「また服を掴むか?」
煉獄さんはそう言うと、袖を私に見せる。
『あ…じゃあ、はい』
素直に掴んでおこう。
はぐれたら煉獄さんに迷惑がかかるしね…
「さ!行こう!」
『はいっ、』
ー
『煉獄さん!もう甘味処見つけてしまいました!』
「早いな!」
『わ!見てください!綺麗な器ですね!』
「そうだな!」
あれから少し歩くと、いつもの街並みとは少し違った所へ着いて。
はしゃぐ私に嫌な顔一つせず着いて来てくれる煉獄さん。
あ、でもたまにクイッと肩を引き寄せられる。
私が周りを見ずに人にぶつかりそうになるから。
気をつけようと思っても、どうしても意識が別の方へ行ってしまって…
ごめんなさい、煉獄さん。
ちゃんと心の中では何度も謝ってるんです。
………そんな時にでも煉獄さんに近付けるのは嬉しいとかは、別に思ってないし?
そんなわけないし?
「楽しいか?」
キラキラと瞳を輝かしているであろう私を覗き込んでそう聞いてくる煉獄さんに、私は『はいっ』と大きく頷く。
いつもとは違う街並みに
見た事のないお店。
楽しそうな声。
人が多いのは少し疲れるけど
隣には煉獄さんがいるから。
すごく楽しい。
「あそこの蕎麦屋でも入ってみるか?」
『行きましょう!』
「うむ!」
…すごく、楽しいから。
違和感に、気付かなかった。
私は本当に全く。
周りが見えていなかった。
最悪な出来事が私を襲うのは、
このすぐ後の事。
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まあり(プロフ) - まゆさん» 嬉しいですーっ!読んでくださりありがとうございます!最後までぜひよろしくお願いします! (2021年3月6日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこいい、、、最高!!!!更新楽しみにしてます!頑張って下さい!応援しています!(*^^*) (2021年3月5日 21時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 明日香さん» すみません!修正してきました!教えてくださりありがとうございます! (2021年3月3日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 33話の次が26話ですか? (2021年3月3日 18時) (レス) id: c2c1adce1e (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 凪子さん» わーっっ!!ぜひぜひ最後までよろしくお願いします!ありがとうございますー! (2021年3月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年2月23日 21時